ゆったりめに羽織って、ハットかぶって、キューバあたりのミュージシャン風に着る
さて、228回目もエルメス。今回は、真っ白なリネンのハーフスリーブ(半袖)シャツです。
かつては、半袖のシャツって あまり着ませんでした。とくに白とかサックスブルーって、幼稚園とか小学校とか、エエとこの制服っぽくて……。とっちゃん小僧感が出る。
それと、暑いときに"長袖を無造作に捲って着てる感じが色っぽい"なんて キレイなおねぇさんから聞いたことがあって、ならなおさら長袖シャツじゃんと。
日本の夏なんて 気温だけじゃなくて湿度も高いから まとわりついて不快なのに、シャツに関しては長袖を選んでいたんです。
でも、連日30℃超えで 40℃近い日まであったりすると、もう無理……。
いよいよ 半袖シャツ解禁です! 襟はレギュラーカラーですが。
先日45歳を迎え、ほど良くオジさん感も板についてきたんで、キューバの路上ミュージシャンを参考に ハットをかぶって ちょっと大きめな半袖シャツをタックアウトで着てみる。
そう考えると、裾はラウンドカットよりはスクエアの方が イイ。
その点、このエルメスのシャツはサイドにスリットまで入っていて、完璧でした。
素材もリネン100%なんで、余分な熱をためずに涼しく、吸水率も高くて通気性にも優れているから汗を掻いて濡れてもすぐに乾きます。
リネンって洗い上がりがゴワっとするイメージがあるかと思いますが、そこはエルメス!
とにかくキメが細かくて、リネンなのを忘れてしまうくらい肌触りはスムーズです。
以前、こじプチ企画で無印のフレンチリネンを紹介しましたが、段違い! まぁ 価格も全然違いますし、穿くのと羽織るのとでは扱い方も違いますから。
まっさらな白の半袖リネンシャツってだけで 充分に清水ダイブする決断はできたんですが、胸ポケットに なんとも洒落たディテールがありまして…
恒例の「よく見るとH」! 色の異なる同素材のリネンで切り替えて、半分のHを表現しています。
こんなのに近づいて、じっくり見られることはないかとは思いますが、まぁとにかく芸が細かい。
ポケットのためだけに こんなパターン引いて、運針細かく縫う必要性がドコにあるんだろう?(笑)
でも、これぞエルメス。そこにシビれる! あこがれるゥ!
今回も 幼な子が庭先のプールでチャプチャプ遊ぶような気軽さで 清水ダイブしていまいまして、今夏は八面六臂の活躍をみせてくれています。
ただ、ちょっと気がかりなのは、ハバナあたりのミュージシャンではなく、稲刈りが得意そうな農夫に見えていないかってこと……。
『俺ら東京さ行ぐだ』
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka