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車のタイヤ交換、いつすればいい? 長持ちさせる秘訣も伝授します!

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

「車のタイヤは生もの」と聞いたことはないでしょうか。ご存じの通り、タイヤの主原料はゴム。時がたつにつれ、徐々に硬くなり弾力を失っていきます。こうなると、摩耗していないタイヤであっても、保管方法が適切でなければ、劣化のスピードは速まり、走行中にバーストする、という事態にも。

安全に使用できる期限があること、また保管方法を間違えれば劣化が早まってしまうこと、などから、タイヤは「生もの」といわれています。

しかし、タイヤ交換は出費がかさむため、「できるだけ引き伸ばしたい」と考える人も多いはず。また「ディーラーのスタッフに、交換した方がいいといわれたけど、そんなに危ない状態なのかわからない」と悩んでいる人もいるかと思います。車のタイヤは、どれくらいのスパンで変えるべきなのでしょうか。

 

■スリップサインが出てからでは遅い

まず見るべきポイントは「スリップサイン」です。新品タイヤであれば、タイヤの溝は8ミリ程度ありますが、走行するにつれ、トレッド面が徐々にすり減っていき、残りの溝の深さが1.6ミリになると、スリップサインが現れます。タイヤの溝が1.6ミリ未満(乗用車の場合)は、道路交通法で装着および使用が禁止されており、もし1箇所でもスリップサインが出てしまったら、車検は通りません。

スリップサインの出たタイヤ。こうなったら、もう走行してはいけない

筆者は昨年、愛車のタイヤをフロントだけ交換しました。スリップサインは出ていなかったので、「まだ大丈夫」と考えていたのですが、大きな間違いでした。雨の日の高速走行中、急にステアリングホイールが軽くなり、フロントタイヤが浮くような現象に襲われたのです。タイヤの残り溝不足によって排水性能が低下し、軽く、「ハイドロプレーニング現象」が起きていました。かなりヒヤッとしました。

こちらは新品のタイヤ。溝がくっきりしていることがわかる

後輪タイヤの溝はまだ残っていたので、すぐさま前輪タイヤのみ交換しました。もし、さらに摩耗が進んだ状態で、雨の日に高速走行をしていたら、酷い事故になっていたかもしれません。「スリップサインが出てからでは遅い」と考えるべきです。

 

■交換目安は5年!! 2度目の車検時に行うこと

年間5000キロ未満の走行距離のクルマの場合、新車購入から5年が経過した2度目の車検時でも、タイヤ溝はまだ十分に残っているでしょう。しかし、冒頭でお話しした通り、タイヤは生もの。5年も経過したタイヤは、劣化していることが想定されます。

劣化によりカチカチになったタイヤは、グリップ力が低下(ブレーキやハンドリングに影響)するだけでなく、乗り心地が悪くなったり、ロードノイズも酷くなります。劣化による変化は徐々に進むため、毎日クルマに乗っているオーナーだと気づきにくいものですが、新品タイヤとは歴然の差。残り溝があったとしても、使用開始後5年が経過したタイヤは交換することが望ましいです。

溝が十分に残っていても、このようにひび割れていたら、もうアウト。すぐに交換が必要です

ちなみに、筆者は昨年、前出のフロントだけタイヤを交換したクルマとは別に、製造からちょうど7年目の中古車を購入しました。タイヤ交換は一度もされていませんでしたが、サイドウォールのひび割れは少なく、トレッドの溝もまだ残っていました。なので、「問題ない」と考え、そのまま乗っていたのですが、とにかくロードノイズが酷く、また乗り心地も硬く、しかも、まっすぐに走るのが辛い状況。「ひどいクルマだなぁ」と思いながら乗っていたのですが、先日、機会があったので、新品タイヤへ交換。すると別のクルマになったかと思うほど、それらの不満が解消されたのです。交換したのが2021年製造の新品タイヤという恩恵もあるでしょうが、こうも性能が激変するとは思いもしませんでした。

「タイヤは生もの」。使用限界を過ぎたタイヤは使用してはいけない

ディーラーやガソリンスタンドで、タイヤ交換をすすめられることがよくあると思いますがが、正直「売り込まれてる」と思ってしまっている方も多いでしょう。しかし、ディーラーやガソリンスタンドのスタッフは、クルマに関する多くの事例と触れる機会のあるプロです。根拠のない素人判断で「まだ大丈夫」と思っていると、とんでもない事故につながってしまう可能性があることを、覚えておいてほしいです。

 

■タイヤを長持ちさせたいならば、まずは空気圧管理を!!

同じタイヤを6年も、7年も使い続けることはおすすめしませんが、できるだけタイヤを良い状態で使い続けられるよう、日常点検は重要です。そのためには、「空気圧管理」が最も効果的です。

乗車前に毎回空気圧をチェックする方は、職業ドライバーでもない限り、なかなかいないと思いますが、月に一度は、「空気圧」を調整する癖をつけたいところです。既定の空気圧からずれていくと、タイヤの変形の仕方が設計と変わり、タイヤの摩耗に大きく影響します。また空気圧をチェックする際には、サイドウォールの傷や残り溝があるか、釘や石などがトレッドに挟まっていないかについても、ついでにチェックしてしまいましょう。

月に一度、洗車のタイミングにでも同時にタイヤの空気圧チェックをする癖をつけよう

ただし、タイヤの空気圧は、走行前の冷え切った状態と、走った直後では、10パーセント以上も変わってしまいます。筆者のクルマのタイヤだと、走行前に240kPaで合わせた空気圧が、走行後には260kPaにまで上昇していました。ガソリンスタンドで空気圧をチェックする方は、クルマ全体の熱気が収まって、タイヤの温度が落ち着いてから測定することをお勧めします。

また、クルマの走らせ方でも、タイヤの寿命は変わります。急ハンドル、急ブレーキがよくないことは当然ですが、駐車場などで、クルマを動かさずに、ハンドルの据え切り操作を繰り返す方はご注意ください。その運転、トレッド面をガリガリと削っています。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:Getty Images,AC
Edit:Takashi Ogiyama



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