前回で、ベルウィッチやフィナモレ、ザネラートなど日本でも人気のイタリア・ファッションのインポーターである株式会社AMANの取締役・藤井尚志さんこだわりのファッションアイテムを見せてもらいました。
マルタン・マルジェラ、ルイスレザーをはじめとするライダースジャケット、お宝フランス軍パン、白・黒文字盤二本買いしたロレックス・デイトナという垂涎アイテムを披露してくれた藤井さんは、クルマ好きでもあります。
今回は自宅に場所を移し、愛車を拝見させていただきました。
ガレージからボボボボボッと男らしいサウンドとともに登場したのは、空冷エンジンをリアに搭載するポルシェ911、コードネーム993、しかも993が最終年式となる1997年。つまり、空冷エンジン最後の911がこれなのです。しかも、ターボボディをまとったカレラS。
現在、少し落ち着いたとはいえ、中古車価格の相場は高値安定。新車価格が1000万円くらいでしたが、それとほぼ同じプライスタグが付けられているものがほとんどで、走行距離やトランスミッション、内外装色によっては2000万円近いものもあります。
それを13年前ほどに600万円で購入されたという藤井さん。昔から911には憧れがあった、ということで、手放すつもりはまったくなく、大事に大事に乗られています。
なんと購入時3万3000kmだったオドメーターは、現在、5万3000kmを数えるほど。つまり13年で2万kmしか乗っていないのです。
買って最初のころは嬉しくって、いろんなところに行きましたが、しばらくすると何だかもったいなくて……。でも、この前はリアシートに小学生の息子を、助手席に妻を乗せ、六本木ミッドタウンに行ったり、ちょこちょこは乗っている、とのこと。ちなみに、ミッドタウンの駐車場でリアシートから子供が降りてきて、周りの人から驚かれたそう。
で、距離はかせいでいませんが、メンテナンスも抜かりなし。厚木に主治医がいるそうで、定期的に診てもらっているそうです。なんとも幸せな空冷クンです。というか、それぐらいじゃないとこの手のクルマは手にしてはいけないのかもしれませんね。
さて、最終年式の空冷クンが実働部隊でないので、足グルマも藤井さんはお持ちです。藤井さんのSNSを通して見るとメルセデスベンツのゲレンデバーゲン、AMG G55だったのですが、最近乗り換えられたとのこと。
さすがに足グルマとしては燃費が悪すぎました、という藤井さん。代わりにやってきたのはBMWミニのクロスオーバー、そのハイスペックモデルにして、懐にやさしいディーゼルエンジンを搭載した「SD」。
思いのほか車内は広いですし、ディーゼルなのに全然うるさくない。四駆だから安心感も高いです。と藤井さんは大満足の様子。「ただ、息子は前のゲレンデがよかった、というのです」。ミニの内装があまりにモダンで、ゲレンデのオーセンティックなインパネを懐かしむ藤井親子であったのです。
「BMWミニのアプリをスマホに入れておくと、離れたところからエアコンをつけられたりするそうなんですが、まだよくわからなくって機能を使いこなせていません」という藤井さん。確かに、ポルシェ993よりも運転自体も慎重で、そーっと、そーっと路駐のクルマをパスしていきます。
そんなミニ・クロスオーバーSDでドライブしながら、藤井さんがファッションに目覚めた青春をプレイバックしていただきました。ぜひ動画もご覧ください。
「クルマを見れば、その男のこだわりが見える」。というわけで、不定期連載「あなたのクルマ見せてください」、次はあなたのクルマを見せていただきに参ります!
Video&Photo: Naoto Otsubo
Video Edit: Kabuto Ueda
Text:Takashi Ogiyama