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CAR スーパーカー回顧録

ランチア・ストラトスHF。「サーキットの狼」世代のオッサン同士よ、ランチアの魅力を語ろう。

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皆さんこんにちは。中年B、ノリシゲセイイチ(56)です。

物語には名脇役の存在があります。

ソコで今回登場するのが“北海の龍”であります。

北の大地、北海道で腕を磨き、錦の御旗を掲げようとノコノコ上京を果たす彼の愛車が『ランチア・ストラトスHF』です。

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ワタシの記憶が確かなら、流石島レースへの出場を掛けた模擬レースでトップを走りながらゴール直前に大スピン!  とりあえず、男は魅せたとしておきましょう。

スーパーカー少年にとって漫画『サーキットの狼』はある種のバイブルですが、少年読者は徐々に成長し、やがて、公道か? サーキットか? という分水嶺に達します。

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当時のワタシは小学校の5~6年生。TVバラエティ『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』を欠かさずに見ておりました。

オンエアは確か月曜日。連載中の『サーキットの狼』は“早売り”で読破していましたので、心置きなく3人娘の太ももをガン見し、小松の親分の登場(ズンズンズンズンズンズン♪)とともに『電線音頭』に酔いしれるのであります。

さて、ストラトスです(笑)。

漫画を読み進めると、どうやらこのスーパーカー、フットワーク抜群のロータス・ヨーロッパを凌ぐコーナリングマシンであると解釈できました。

エンジンは神であるフェラーリ様のDINOに搭載される2.4リッターV型6気筒エンジン。期待が高まるのです。

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補足すると車名のストラトスは“成層圏”を意味します。

モデルタイプはホモロゲーション用のストラダーレ(市販車)、コレをWRCグループ4用にモディファイしたラリーカー、グループ5用にモディファイした仕様がスポーツカー世界選手権(いまでいうところのWEC)に向けた車両です。

ランチアの公式見解によればラリーバージョンが1972年から1975年、ストラダーレの生産期間が1973年から1974年となります。

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ストラトスの誕生には紆余曲折の物語があります。コンセプトカーである『Bertone Lancia Stratos Concept Car』(デザイナーはマルチェロ・ガンディーニ)は1971年のイタリア・トリノショーでデビュー。

コレを見たランチアチーム率いるチェザーレ・フィオリオが目をつけ、FR全盛のラリー界にミッドシップのラリーカーの投入を目論見ます。

コレだ! とひらめいたフィオリオが、次に向かったのがマラネロです。

なんとエンツォ大公に直談判し、門外不出のフェラーリ謹上DINO用エンジンの供給を確約させてしまうのです。後に、このフィオリオの熱血漢を高く評価したエンツォ・フェラーリは、スクーデリア・フェラーリへ招聘。WRCからF1へ転身後もフィオリオは活躍します。

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ことの経緯は諸説あるものの、ストラトスは舗装路であるターマックにとどまらず、ギリシャなどのグラベルやアフリカの大地を舞台としたオフロードまで大活躍。

ラリー界を席巻します。ちなみに、ストラトス専用タイヤとしてピレリが開発した『P7』もこの勝利に貢献しました。

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【Lancia Stratos HF】
ボディサイズ:全長3,710×全幅1,750×全高1,114mm
ホイールベース:2,180mm
トレッド(前/後):1,430mm / 1,460mm
車輌重量:980kg
エンジン:V型6気筒DOHC(バンク角65度・横置きミッドシップ)
総排気量:2,418㏄
最高出力:190ps / 7,000rpm
最大トルク:23.0kgm / 4,000rpm
生産台数:492台

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ナローポルシェのショートホイールベース版でも2,231mmですから、このストラトスがラリーで勝利するために、特別に設計されたクルマであることがわかります。

市販モデルを作ったのはWRCの規定をクリアするための条件でしかありません。

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素のストラトスを見ていると、ふっくらとしていて、まるで電線に止まる冬スズメのようでもあります。

中年諸氏よ、今宵もストラトスの雄姿と電線音頭に酔いしれるとしましょう!

Text:Seiichi Norishige



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