おじさん少年、現れる!
昨年のイタリア出張のとき、ピッティ・イマージネ・ウオモの取材中にあまりに暑過ぎて何度も倒れそうになったんですよ。まあ、寒いよりはマシですが、ここ数年は異常気象の影響もあって、日本の夏も本当にしんどいですよね。
そこで、なんとか涼しく過ごせないものかと考えていたところ、思いついたのが……。いつものグレースーツのスタイルを半ズボンにしてみたらどうなるんだろう? という妄想。これがブランド立ち上げの出発点となりました。そう、わかりやすく言えば、半ズボンを穿いた制服姿の小学生(笑)。
そこからウールのショートパンツを探していたのですが、なかなかないんですよね。欲しいものを探すときは、BEAMS Fかブルネロ クチネリあたりをまずチェックして、そこでだいたい発見できるのですが、そのときは見つからず……。
ネットサーフィンをしていた際に偶然遭遇したのがBEAMS+のこちらでした。素材は50%ウール、50%ポリエステルで、見た目はドレッシー。コインポケット付きの2プリーツ、裾がダブル仕上げになっているのも気に入りました。
ところが、ポチッとしたところまでは良かったのですが、商品が届いたら、僕が想像していた以上にわたりが太いんですよね……。そもそも、アメカジ、アメトラが基本のBEAMS+なのですから、当然といえば当然なんですけど。
実際に穿いてみたらブカブカだったんで、円周にして約14㎝詰めて、テーパードシルエットにお直ししました。だって、そのまま穿いたら大きな制服を着せられた小学1年生みたいだったもので(苦笑)。
それでも、ライトグレーのジャケットとネイビージャケット用にと2着買いしました。ただ、あまりまだ出番がなくて、どうやってコーディネイトするかは思案中。最初は、同じ色でスーツのように着ようと思っていたのですが、よく考えるとそれってトム ブラウンがよくやっていたスタイルじゃないですか。それだと何だか新鮮味がないような気もしてきて……。
とはいえ、眠らせておくのももったいないので、近々「エロサバ」で実験しようと思います。まあ、“エロ”にはならないと思いますが……(苦笑)。
ソックスを履いて、90年代のプラダのようなボリュームのある靴を合わせてみようかな。でも、他人からはどう見えるのかはナゾ。おじさん少年みたいな感じなんでしょうかね。乞うご期待!
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:Toshiaki Ishii
6冊目の書籍が発売しています。洋服から、ジュエリー、腕時計、ライフスタイルまで。僕が日頃から愛する大人の男女におすすめしたいブランドの逸品について書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が愛する
「究極のブランド100+5」(日本文芸社)