”萌え”がニッポンを救う!?
2019年1月8日に米国ラスベガスで開幕したCES 2019(Consumer Electronics Show)は、全米民生技術協会(Consumer Technology Association)が主催する国際見本市。いまのところ家庭用エレクトロニクス分野では世界最大規模を誇り、近年は自動車関連の出展企業も多く注目のイベントです。
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で、自動車関連で見渡せば、やはりこの分野でも強さを見せるのがドイツ御三家と日本勢(見える部分だけかも知れませんが……)。かつてはこの後に開催されるデトロイト・モーターショーがその舞台だったのですが、関連企業の兼ね合いと注目度が影響してか、いまやCESが先端技術の発表会と化しているのです。
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そして話題は自動運転技術の分野となりますが、今日明日モビリティ社会が革新的に変わる……ということもなく、各社とも熟成具合の途中経過報告といった印象。個人的見解ながら、夜の街で見る黒いアウディはセクシー、メルセデスの未来デザインは超イケてる、BMWの無人走行バイクはインパクト大! であります。
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一方、我らが日本勢で妄想に胸膨らませてくれたのが日産自動車。今回のCESでは「Invisible-to-Visible(I2V)」を発表し、仮想空間と現実を融合させた技術のデモンストレーションを披露してくれたのでした。
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少し詳しくご紹介すると、I2Vとはリアル(現実)とバーチャル(仮想)の世界を融合することでドライバーに「見えないものを可視化」し、究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術……というもの。VRゴーグルを装着して、3Dのアバターとドライブデートなんてことも可能な技術です。
この「見えないものを可視化」する技術は、同社が2007年にエルグランドで初採用したパーキングアシスト技術「アラウンドビューモニター」がその始まりといえるかも知れません。カメラやセンサーで得たデータから、自分のクルマを真上から見下ろした様に周囲をビジュアル化しモニター表示。まるでピンポイントなGoogle Earthのようでありました。
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重複しますがこのI2Vを正確に記せば、「車内外のセンサーが収集した情報とクラウド上のデータを統合することで、クルマの周囲の状況を把握するだけではなく、クルマの前方の状況を予測したり、建物の裏側やカーブの先の状況を映し出したりすることを可能とします。また、運転の楽しさを向上させるため、例えばアバターが車内に現れるなどし、人間同士が双方向コミュニケーションしているかのように運転をサポートします」とのこと。
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むむむ。なんとこのI2Vが標準装備されれば2次元夢も実現可能に。いまのところ人肌の温もりを感じることはできませんが、さらに発展すれば、中年になったダンナも、あれから30年な嫁も、志向に応じた姿となって脳内再生されるということでしょう。スバラシイ!
I2Vに“萌え”が加われば、コンテンツビジネスが躍進し引き篭もりなJK(自宅警備員)もいなくなってクルマが売れて一億総活躍社会が実現……となり、隣国事情は気になるものの日本の将来は安泰か。東京オリンピックイヤーに向けて世界の日産には「I2V Moe」の開発をお願いしたいと思います(実現するその日までリーフNISMOに乗っておきましょう)。
Text:Seiichi Norishige
日産自動車
0120-315-232(お客さま相談室)
■【技術】 #CES で「Invisible-to-Visible」技術を発表