FASHION ― ファッション界の賢人が提案!干場に着させたい「松竹梅」

伝説のスタイリストが登場。しかもお題はゴルフウェア! なぜ??

2018.2.1 2018.2.1
2018.2.1

編集長がビジュアル作りやセンスをたたき込まれたスタイリスト喜多尾祥之さんが登場!

干場編集長が、日焼け好きで、ヒゲ好きで、香り好きで、イタリア好きで、同じモノを何枚も買うクセまで、「ルーツを辿ると全部、喜多尾さんに行き着く」と言わしめるのが、スタイリストの喜多尾祥之(きたお・よしゆき)さんです。喜多尾さんが30代、編集長が20代のとき、「仕事も遊びも全部教わった」と今でも慕うアニキが、 “干場に着せたいゴルフウェア”をピックアップ。今回は目黒・碑文谷にある『スイング碑文谷』のプライベートルームから前後編に分けてお送りします。

ファッションページの作り方のすべてを教えてくれた

干場編集長(以下敬称略):干場に着させたい「松竹梅」に、やっと“師匠”に登場していただきました。しかも喜多尾さんが大好きなゴルフがテーマ。今日は自前のゴルフバッグも持ってきていただきました。今、どれぐらいでラウンドするんですか?

喜多尾祥之さん(以下敬称略):調子が良いとハーフ40ぐらいかな。

干場:ゴルフはいつから始められたんですか?

喜多尾:両親がゴルフ大好きで、一緒にコースに初めて出たのが小6。青山学院中等部でゴルフ部に入り、東スポ主催のジュニア選手権などに出ました。同じ歳に伊沢利光プロがいて、ペアで回ったこともあります。

干場:中等部のゴルフ部なんですか。それは凄いキャリアですね。今日もゴルフ焼けでカッコイイです。僕が10代のときに読んでいた雑誌『ポパイ』の好きなファッションページは、ことごとく「喜多尾祥之」とクレジットされていて、まず何て読むんだろうと?

喜多尾:珍しい名前だからね。

『Fine Boys』誌「KITAOKITAOSU」連載 自らモデルとなり、そのときの旬の服を着倒す企画。

干場:今でも鮮明に覚えているくらい、あまりに格好良くて大好きなファッションページで食い入るように見ていました。それから自分は20歳で、編集者になるんですが、喜多尾さんに「大ファンで、ぜひ一緒に仕事をしてください」と手紙を書いて、代官山のカフェでお会いしたのが、最初のきっかけでした。

喜多尾:よく覚えているね。

干場:もちろん覚えてますよ! 真っ黒に日焼けして、髪形は男爵のようなオールバック。白の半袖のパイロットシャツにプラダの短パン、そして足元をは黒に白ソールのスニーカー。で、会った瞬間に、とてつもない良い香りが回りに立ちこめたんです。

『MA-1 マガジン』誌 (ワールドフォトプレス) モードとスポーツモノをMIX(オランダChakuriki Gym TシャツをFeature)。編集者時代の干場君との初めての仕事。

そこではじめてお話し、それから一緒に仕事をさせてもらようになりました。僕が好きなことのルーツを辿っていくと……、実はほとんど喜多尾さんなんですよ。本当に師匠です。

干場君が『Esquire』編集者時代の仕事で1泊して、谷川岳でロケ。 PATIENT をテーマにアウトドア スタイリング。

 

オリジナリティたっぷりで、的を得ている喜多尾ワールド

喜多尾:20代の干場君は編集者として好奇心が強く、「今あるモノを変えたい」、「ファッションにはもっと違う未来がある」と思っていたのが伝わってきました。それが僕の中でもリンクしていて、楽しく仕事ができたんだと思います。自分は20代に『ポパイ』で、DC ブームから渋カジまで、30代にはモードでエッジの効いたスタイリングを求めていた。そこにラフ・シモンズが出てきたり、あの頃はカルチャーとファッションのリンクが本当に面白かったんです。

季刊メンズモード誌『D-file』 マント をテーマにしたスタイリング「Bankara」
季刊メンズモード誌『D-file』 MA-1と腹巻がテーマの「Dark Force」

 

季刊メンズモード誌『D-file』「 IVY CHINA」

 

干場:喜多尾さんが流行らせたモノもたくさんあって、オデコ靴とか、ビッグポロ、ビッグチノ、ボストンメガネ、バブアーのコート、ニューバランスのスニーカー、ニュートラ、マントなどもそう。喜多尾さんは『ポパイ』で「女が好きな男の作り方」という、どうしたらセクシーな男になれるかというページを、外人モデルを使って作っていて、実はそのページに影響を受けて、僕は『LEON』を作ったんです。『LEON』の雑誌を作るときに、編集ページのファッションは僕がかなりのページ数をやっていまして……。

『dish.』誌 韓国アイドルグループ「Click-B」をモデルに、GUCCI スタイリングした「ニューロマンサー」
『POPEYE』 「Teddy Boy Style」モデル:Nagi Sakai  現在:NYカメラマン https://nagisakai.com/

 

どうしたら色気のある男性、モテる男性を、わかりやすく読者に伝えられるか?を考えていました。そのときに思い着いたのが、右ページは喜多尾さんが作っていた『ポパイ』の大人の色気ある男女写真。左ページは、その色気ある写真の男女のようになるためのHOW TO要素を取り入れて、わかりやすく解説したんです。

あの頃から、「上質な白いシャツは2つボタンを開けて着るとセクシー」とかやってましたよね。喜多尾さんのページはオリジナリティたっぷりで、的を得ているのに、目線が独自。さらにご自分で実践されているのが凄かったんです。

『dish』誌 「ニューロマンサー」 ロケ場所:韓国

喜多尾:『ポパイ』では、「ちょっと早い、人より半歩先」を表現しろ!と言われていたけど、その半歩先が難しくて、興味をキープするのが難しかったんですよね。

干場:何が難しかったんですか?

喜多尾:自分はどんどん先に行って、一周して後ろから追い抜きたいわけ(笑)。

干場:爆笑。確かに、スタイリストという仕事柄、先へ先へと行きたくなりますよね。

喜多尾:でも、ファッションというものは難しく考えすぎてはダメで、本能に訴えかけるものじゃないとダメ。理屈とかを優先して、記号で服を着ていると面白くない。世の中には「匂いがあるモノ」があって、匂いを嗅いで、これを着ようとか、デザイナーも匂いがある人が素敵だなと思う。

干場:今はファッションも含めて、なんでもライフスタイルに修練してしまいますからね。

喜多尾:僕らは服が好きだけど、ライススタイルで着ているわけではないからね。全部のバランスが整っているとつまらない。バランスが悪いのを俯瞰で見るとカッコイイというのがいいんだよね。

ネイビーのハイファイな世界をゴルフで愉しむ

干場:さて、喜多尾さんに干場に着させたい「松竹梅」にぜひ出ていただきたくて、お声をかけたら「ゴルフウェアでいい?」と返事が来て、さらに「ダウンベストでいい? ネイビーのダウンベストね」と。どうしてネイビーのダウンベストを選んだんでしょうか?

喜多尾:自分にとってゴルフは生活の一部だけど、ゴルフ場に行くと実際ファッションはたいしたことがない。

干場:確かに、派手なカラーリングで、ロゴ入りウェアというイメージがありますよね

喜多尾:ゴルフ場は街と違って少し派手に見えた方がいいんだけど……。たとえば黒に近い濃紺だと色映えはしないんですよ。

干場:へぇ~、なるほど~!!!

喜多尾:『ポパイ』でハワイロケに行ったとき、“グリーンに一番映える色”をいろいろ試した結果、「ネイビーと白」が基本、それからゴルフのプレーのときはネイビーしか着ないと決めています。ネイビーは自分のプレースタイルともリンクして、ネイビーのハイファイ(※)な世界をゴルフで愉しむ、ネイビーを派手に着るようにしています。

※ハイファイ、Hi-Fiとは、字義的には、High Fidelity(高忠実度、高再現性)の略語。音響機器などにおいて「原音や原画に忠実な再現」という意味を持つ。

干場:さすが喜多尾さん。ちなみに、喜多尾さんがゴルフに魅せられたのはどういうところなんですか?

喜多尾:ゴルフの魅力は答えが出ないところ。ゴルフのスランプの周期はまるで人生のようで、良いときも、悪いときも、責めるのは自分だけで、それが面白いし、いろんなことを教えてくれる。ネイビーを着てゴルフするのも、そういう考えをもつスタイルの人に出会ったことがないからで、ゴルフをやっているからこそ理解できたこと。今回、ゴルフウェアを選んだのも、「20~30代にゴルフをやって欲しい!」というメッセージを込めています。

いかに冬でもベストな状態でプレーできるか?

干場:今回は「冬のゴルフプレーのときに着るネイビーのダウンベスト」というピンポイントの松竹梅ですが、まさに喜多尾さんの実践から選んだわけですね。

喜多尾:冬場のゴルフは寒いんだけど、厚着はしたくないわけです。プロでも着れば着るほど身体が回らなくなるから飛距離が落ちる。だから身体は温かくして、腕は振れるようにしておきたい。

干場:なるほど~。そこでミドルレイヤー的なダウンベストなわけですか。動きやすさは損なわず、保温性のあるアイテムということですね。では、梅のダウンベストをご紹介ください。

喜多尾:選んだダウンベストは、ダウンパックの形状が自分好みなものを優先しました。ダウンベストだって格好良くないとダメだからね。

干場:それはもう、よくわかっています。

松竹梅の中で一番薄手だけど、パターのときに邪魔にならない

「ザ・ノース・フェイス」Hybrid Red Run Vest 1万8,000円(税抜)// ザ・ノース・フェイス原宿店 03-5466-9278

喜多尾:まず梅は、「ザ・ノース・フェイス」のハイブリッドレッドランベストです。冬のランニング用だけど暖かくて、ストレッチが効いて動きやすいのがポイント。前身頃や背面上部などの保温箇所にはプリマロフトが入っています。

干場:ゴルフ用としては、どこが優れているんですか?

喜多尾:今回紹介する松竹梅の中で一番薄手だけど、裾がピタッとしているので、パターのときなどに もたつかないのが良いね。普通のダウンだと裾までダウンパックがあってどうしてもモコモコしてしまう。デザインもシェル(甲冑)っぽくて、ちょっと未来っぽい。

干場:喜多尾さんは未来っぽい、ブレードランナーっぽいの好きですよね。このベストをどう着ているんですか?

喜多尾:中にはストレッチが効いているジップアップのネイビーのセーターで、インナーは保温性のあるTシャツ。そしてダウンベスト。重ねて3枚までで、4枚着ると身体が重くなる。このベストなら気温12度ぐらいまではOK。10度以下ならあとで紹介する2枚かな。

干場:ボトムスはなんですか。

喜多尾:パンツはネイビーのボンディングパンツで、全身ネイビー。

干場:さすがです。キャディバッグも白×紺で、ゴルフシューズも白×紺なんですね。

喜多尾:スポーティでおしゃれでないとね。ゴルフの“おっさんスポーツ臭”を消したいという想いはある。干場君、このベストを着てみて。

干場:着やすいですねぇ。暖かくて動きやすい。しかも脇が小さいから、風があってもこれなら大丈夫ですね。このストイックな感じは、さすが喜多尾さんセレクトです。

喜多尾:竹と松のダウンベストも期待していいよ。

7歳上の“オシャレアニキ”がこだわり抜く「ゴルフウェアの松竹梅」(後編)では、ダウンベストの竹と松を紹介します!

Photo:Katsumi Murata
Text:Makoto Kajiii
Edit:Satoshi Nakamoto

喜多尾 祥之(きたお よしゆき)
1965年東京浅草生まれ。雑誌・広告・TV他、俳優を手がけるスタイリスト。青山学院大学在学中、20歳の時にマガジンハウス「POPYE」でスタイリストとしてデビュー。様々な服やスタイルを自分で快感し、常に時代の気分に合ったものを探し続ける。趣味はゴルフ・料理。POPEYEでの連載を収録した『魔味探究 五感が覚醒、男の深夜めし』を書籍化。

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