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スイスの大自然を爽快ドライブ

オープンカーは贅沢な乗り物とも思われる。見た目は優雅だし、値段だってフツーのセダンよりも高い。が、逆に言えば、屋根の開け閉めできる機能を持つことで、1台で2台分の効能効果があるとすれば“安い買い物”とも言えなくない。実際に2台買えば駐車場代は倍だし、自動車税云々とランニングコストはかかる。要するに、バリューフォーマネーってことなんではないでしょうかね。

そんな発想が浮かんだのは、6月の終わりに参加した新型メルセデス・ベンツEクラスカブリオレのメディア向け国際試乗会に参加したから。場所はスイス&フランス。ジュネーブを起点にフランスのモンブランを往復するコースが設定されていた。

1台で2台分とはまさにこのクルマのことで、ソフトトップを開ければオープンエアモータリング、閉めればスポーツクーペの走りを堪能できる。オープン感が強いのは、2シーターロードスターではなく、大人4人がちゃんと乗れるスペースのある4シーターオープンだからだ。もちろん、横転事故も想定してフロントピラーはドライバーの頭近くまで傾いてはいるが、開放感があるのはご想像の通りである。

また、閉めた時の機密性の高さは驚きの連続で、風切り音やロードノイズのキャビンへの侵入を高レベルで防いでくれる。ソフトトップを閉めて走り出して10分。カブリオレであることを忘れて走っていた。

今回Eクラスカブリオレの開閉システムやソフトトップの質の高さは、先にリリースされたSクラスカブリオレと大きく関係する。というのも、電動油圧式の装置やソフトトップのレイヤー構造などはそこから拝借しているからだ。そう、つまりは高級感があって、お上品。ソフトトップが稼動している時、ウィーンなんてありがちなモーター音は聞こえない。

そんなクオリティの高いカブリオレなのだが、言いたいのはそれだけじゃない。今回、試乗会会場では3種類の異なるボディカラーとソフトトップのコーディネイトを見たが、どれもカッコよかった。すでにクーペで実車をご覧になった方もいらっしゃると思うが、2ドアのフォルムもいいし、上品で大人なボディカラーのカラーバリエーションもいい。白や黒、シルバーをデフォルトとするセダンとはまた違った妖艶な世界観を漂わせる。いいね、この雰囲気。

一応幌のスペックを記述しておくと、操作はスイッチ一つ。約20秒でロックが外れソフトトップの収納が終わり、時速50キロ以下であればそれを走行中に行える。雨がポツポツ来たからっていちいち停めるのは野暮ってもんだ。

ということで、“青空好き”の方にオススメの新型Eクラスカブリオレ。日本発売は来年なので、再び実車を目前にする機会はまだ先になるが、ちょっと気になる一台であることは確か。最近はSUVに目を奪われがちだからね。ここで一発オープンカーに着目するのも大人カーライフにはワルくないんじゃない!?
【プロフィール】

九島辰也
モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2014-2015日本カーオブザイヤー選考委 員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員
http://www.tatsuyakushima.com/index.html


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