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HEALTH 「超名医に聞け!」

【テストステロンが高いとモテる】朝立ちしないのはEDや病気のサイン? 

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「40代で月に1回も朝立ちがないのは危険です」

オフィスでも家庭でも責任重大な40代。「カラダが資本」はわかっちゃいるけど、ろくにケアしている時間もない……。そうお嘆きの諸兄のために、FORZA STYLE医療班が40男の健康リスクについて、「名医中の名医」に尋ねる好評企画。

今回は元東京大学医科学研究所の特任教授で、現在はナビタスクリニックで診療に当たる上昌弘医師にご紹介いただいた、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科・堀江重郎教授が登場。泌尿器科手術で日本を代表する外科医であり、男性アンチエイジングの第一人者でもある堀江重郎教授に、40代以降に胸像するEDや前立腺ガン、そして医学的な「モテ論」まで、根掘り葉掘りインタビュー。男性の健康に役立つ知識が満載です。

やる気が出ない、異性にモテないのはホルモンのせいかも?

ーー堀江先生は泌尿器科の名医でいらっしゃいますが、実は私、最近ED気味で、気力の衰えも痛感しています。唯一の楽しみが家のソファーで寛ぎながら、「相棒」の再放送を観ることといったトホホな状況なんです。

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堀江:たしかに相棒は面白いですが、それはちょっと心配ですね(笑)。40歳ぐらいから加齢とともに老化現象が現れ、頭髪が白くなったり、肌がカサカサしたり、速く走れなくなる。それ自体は自然現象で病気ではありません。 

EDも老化の一種で、血管が錆び始めている兆候です。ペニスはほとんど『血管』でできていますから、勃起障害は血管が弱ってきた前兆なのです。女性の動脈硬化は50代からリスクが生じますが、男性は40歳を過ぎると危険信号が点る。もし月に一度も朝立ちがないようであれば、即、診断を受けるべきです

――でも、朝立ちが無いことを病院に相談に行くのは、なかなか心理的なハードルが高いという感じる人もいますよね。

堀江:恥ずかしがる必要はまったくありません。泌尿器科で血液検査を受ければいい。『今月、一度も朝立ちがありません』と医師に告げてください。保険診療なので数百円で検査が受けられます。

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EDには2パターンあるんです。『性欲はあるけど勃起に障害がある場合』と『性欲がなくて勃起にも障害がある場合』です。後者の場合には、即病院で検査を受けることを強くお勧めします。本当に危険です。40歳になったら『車検の時期』と思って一度、検査をすべきです。

――危険とおっしゃるのは、血管のお話しですか?

堀江:そもそもEDは『もう歳だから』と精力の衰えの観点から捉えるのではなく、『身体の不調のシグナル』と考えてください。

ペニスの動脈は直径1〜2mmと非常に細い。心臓近辺の動脈は3〜4mm、脳近辺の動脈は5〜7mm。つまり、身体の中で最も細い血管であり、だからこそ血管の健康を測るバロメーターでもあるんです。

単なるEDだと放っておくと、脳梗塞や脳卒中、狭心症や認知症につながっていくリスクがある。逆に言えば、EDに早い段階で気がついて治療をしておけば、それらの重篤な症状を防げるわけです。だからこそ、性的な興奮がなくても起こる生理現象である、朝立ちがチェックに役立つのです。

――先生、このインタビューが終わったら、即血液検査を受けさせてください。ところで、男性のアンチエイジングについても興味関心が高まっていますね。堀江先生はその中でも「男性ホルモン(テストステロン)」に注目されています。そもそもテストステロンとは何なのでしょうか?

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堀江:主に睾丸で作られるホルモンで、筋肉や骨、皮膚を強くしたり、精液の生成に欠かせない物質です。男性では2~3歳の頃に一度大きく分泌します。男の子が急に『鉄砲』や『クルマ』など男の子の好きそうなモノに興味を持ち出すのはそのためです。

その後、思春期でもう一度大きく分泌され、声変わりがしたり、ヒゲが生えたり、体毛が濃くなるなど肉体的な成長を促します。

――そのテストステロンの多い少ないが、男性のアンチエイジングに関係するのでしょうか?

堀江:その通りです。仕事がデキる、異性にモテる、若く見える男性は、例外なくテストステロンが高いと言っても過言ではありません。テストステロンは、男性を男性たらしめ、女性を惹きつける性ホルモンです。

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テストストロンには精神的な作用もあり、『男性間の競争に負けずに群れのリーダーになりたい』という支配欲を高めたり、仕事での成果を望んだりします。経営者、政治家、芸術家、アーティスト、トレーダーなど厳しい競争社会にさらされる職業の人は概してテストステロン値が高いという有名な研究結果もあります。筋肉や皮膚を若々しく保つことはもちろん、若々しくて精力的というパーソナリティーにも関与するんです。テストステロンが少ない人は老けやすく、多い人は若々しいと言えそうです。

――男性の人生を左右しかねない、大事なホルモンなんですね。

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堀江:テストステロンが精神面に与える影響には、もう一つ面白いものがあります。実はテストステロンが多く分泌されている人は、キレにくいと言われているんです。怒りの感情を抑えられずに暴走してしまうのは、テストステロンの分泌が低い状態の人に多い。テストステロンが多く分泌されれば、チャレンジもするし、競争心もあり、そして我慢もできる。ビジネスの前線で働く人にこそ求められる資質を獲得できるのです。

――年齢を経るに従って、テストステロンは減っていってしまうのでしょうか?

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堀江:これまではそう考えられていましたが、最近は研究が進み、『社会に自分の居場所がある人』はいくつになっても分泌量が多いことがわかりました。70代でも会社の一線で働いている方は若い時と同じようにテストステロンが分泌されている。ただサラリーマンであれば、40代以降、一線から外されてしまう人も出てきますね。家庭がうまくいかなくなる人も出てくるでしょう。褒められない人、認証されない人、挑戦し続けない人はテストステロンが減少する。やがて社会的なストレスが高まり、テストステロンは減少し、人によってはうつ病になるリスクもあります。

――相棒とソファが大好きな、私のようなテストステロン値が低めの男はどうしたらいいのでしょうか?テストステロン値が上がる食べ物などがあれば教えてください。

堀江:ポリフェノールやビタミンEを含む食材や、乳酸菌を摂るように心がけるといいでしょう。避けるべきは孤食。テストステロンは社会性と密接な関係があるので、一人寂しく食事をしている人は要注意です。

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牛乳は動物性脂肪が高い飲み物 

――泌尿器科の外科医の権威である堀江教授に伺いますが、40代の男性で気をつける病気は何でしょうか。

堀江:前立腺ガンには注意が必要です。40代男性が懸かるリスクが一番高いのが、前立腺ガンなんです。

前立腺ガンの恐ろしいところは、早期発見されているにもかかわらず亡くなる人が後を絶たないこと。前立腺ガンというと、高齢者のガンというイメージが強いですが、40代、50代の患者さんが増え、若年化が進んでいるのが気がかりですね。

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前立腺ガンは生活習慣病で、食事の欧米化で高脂肪の動物性食品をたくさん食べるようになったことが原因です。ここは声を大にしていいたいのですが、前立腺は臓器として脂を吸着する特性がある。コレストロールが多い食事を摂ると前立腺ガンが発症するリスクが高まります。30代、40代に摂った食事が、その後の人生に大きく影を落としてくるのです。

――前立腺はコレステロールに対する感受性が高いんですね。始めて知りました。具体的に、どんな食べ物が要注意でしょうか。

堀江:唐揚げ、トンカツなどの揚げ物やハンバーガーなどのファストフードは頻度に気をつけてください。意外に思われかもしれませんが、牛乳をよく飲む人も注意が必要です。身体にいいから、と言ってガブガブ飲むと動物性脂肪が溜まります。牛乳コップ一杯でベーコンを5枚食べたほどの脂を摂取していることになる。2杯飲んだら、ベーコン10枚分の脂を摂取しているわけです。こう考えるといかに牛乳が高脂肪かわかりますね。

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――それはショックです。いい年こいて、ミルクが大好きなもので……。

堀江:いまは低脂肪の牛乳や無脂肪の牛乳が売っていますので、そちらに変えてみるのはお勧めです。欧米の牛乳は低脂肪が主ですね。もちろん牛乳自体は、安価でタンパクを摂取できる素晴らしい飲み物ですよ。

――前立腺ガンを予防する食材について教えてください。

堀江:和食中心の食生活は前立腺ガンのリスクを避けます。納豆、豆腐、味噌などの大豆発酵食品、大豆に含まれるイソフラボンには前立腺ガン抑制効果がある。緑茶に含まれるカテキン、トマトに含まれるリコピンもいいでしょう。

――そんな堀江教授の健康維持方法を教えて下さい。

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堀江:このエプソンのパルセンスという脈拍計測機で、体のコンディションを整えています。睡眠の質までわかる優れものですよ。脈拍が簡単にとれるので、いつでも自分がリラックスしているか、興奮状態にあるのかがすぐにわかる。今日は1時間くらいリラックスしているが、心拍数が上がっていた状態が35分程度ありました。

昔は自宅から自転車通勤していましたが、56歳の今はもう電車です。無理をしない範囲で運動しています。ジムにも通っていますが、週一。朝起きた時に体操、湯上りにストレッチ。実家が九十九里で海沿いをロードバイクで1〜2時間ほど走ります。

職業柄、かなり歩いていますね。パルセンスには万歩計の機能もあり、今日15時の段階で9300歩、7km歩いている、とわかる。歩くときにダラダラしません。早歩きだったり、誰もいなければ小走りもする。仕事上、診察で移動したりするので活用している。30分程度の運動はテストステロンを増やすのに効果的ですよ。

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――その白衣はオリジナルですか。

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堀江:チームスピリッツを育むために、連帯感を出すためにclassicoというブランドに作ってもらった。裏地をストライプにし、綺麗なシルエットが出るような特注品です。他の医局の人から、『おしゃれな白衣ですね』と声をかけられるように凝りました。おしゃれをするようになればテストステロン値も上がる。褒められるとテストステロンが分泌されます。そのために白衣もちょっと工夫をしているんです。

弱き者、汝の名は男なり。ストレスや運動不足で影響を受けやすい男性ホルモンですが、うまく分泌させることで、ビジネスマンの生活の質は飛躍的に向上します。ぜひ堀江先生のアドバイスを参考にして、男の人生をエンジョイしてくださいね。フォルツア!

Photo:Sono Aida
Text:Daisuke Iwasaki

 

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堀江 重郎(ほりえ しげお)
1960年、東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、テキサス州で医師免許取得。腎移植、泌尿器科臨床に携わる。国立がんセンター中央病院、杏林大学医学部助教授、帝京大学医学部泌尿器科主任教授を経て、現職。日本抗加齢医学会理事長。泌尿器科手術で日本を代表する外科であり、アンチエイジングなど、メンズヘルスの第一人者でもある。日本Men's Health医学会の理事長も務め、男性の健康を護る「メンズヘルス」という概念の普及に尽力している。3週間に一回、行きつけの美容院でカットをするのが息抜き。

 
 
 


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