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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION こじラグ

第49回 素材ち買いした ブルネロ クチネリのアビエイターパンツ

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自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

2粒で、10粒分くらいの活躍……をして欲しくて、連続清水ダイブ!

さて、49回目は、ブルネロ クチネリのアビエイターパンツです。幼い頃に出逢った衝撃から、憧憬を抱いていたパンクなスタイル。パラシュートシャツやボンテージパンツなどの拘束感、破れてたり、スタッズが打ち込まれてたり、やたらと安全ピンが付けられたREBEL(レベル)なスタイルは とにかくカッコ良くて、ガッチリとハートを鷲掴みされました。

ただ、幼き自分でも まんま取り入れるのは、ヒーロー戦隊の格好をそのまま真似るような、いまで言うコスプレと一緒で抵抗を感じており、二の足を踏んでいたんです。そこに現れたのがタイニーパンク(TINY PANX)のおふたり! カンゴールのハット「カジュアル」やヴィヴィアンウェストウッドによるワールズ エンドの「マウンテンハット」に、アディダスのジャージと「ウルトラスター」、さらにはヴィンテージ リーバイスのボロボロのGジャンやカレッジスウェット、そこにセディショナリーズのボンテージを合わせちゃってたという衝撃っ!

パンクも ヒップホップも グランジ前夜の古着も、カッコイイものをカッコイイままMIXするというスタイルに完全にトリコ仕掛け(©根元敬)になってしまったんですね。

なんだかやたら長い前置きですが、要はそこからボンテージパンツや、ジップやポケットがやたらに付けられた軍パンの類い、ヘリクルーパンツやスウェーデン軍のパンツなどが大好きになり、自分のファッションには欠かせないモノとなりました。

穿きこむとすぐに毛玉になってしまうノーメックス素材のヘリクルーパンツは古着屋で見つけるごとに買い足し、riri製のジップを使ったスウェーデン軍のパンツは意外に球数が少ないので見つけたら即買い、もちろんステューシー、グッドイナフ、シュプリームのヘリクルーパンツや、ジェネラルリサーチのボンテージパンツもリリースされれば購入、記載すると弁護士越しに警告文が送られてくる例の玉虫のような生地を採用したリップヴァンウィンクルのヘリクルーパンツも2本買いするなど、クローゼット内のパンツは バベルの塔よろしく、積み上がっていく一方になったのです。

ただ、時間をかけてコツコツと積み上げてきたものの、さすがに40越えのイイ大人ですから、休日ならまだしも、仕事行くのに上記のパンツを穿くのは憚られる…。そんなときに出逢えたのが、このブルネロ クチネリのアビエイターパンツだったんです。シルエットの美しさは、クチネリなんで言わずもがな。ポケットにもマチがないので、ディテールが多彩なわりにはスッキリとしたシルエットなのも嬉しい。しかも、ウールでグレー! まぁ〜、汎用性が高いんですよね。編集長・干場も愛用していますし。

で……、あまりの使い勝手の良さに、素材違いで ちょっと太めに仕上げられたコットンバージョンのグレーまで清水ダイブしてしまいましたとさ。てへ。

いつぞや「パンツは安いのしか穿かない」なんてほざいときながら、クチネリって…。舌の根も乾かないうちに何ダイブしてやがんだって話ですが。これ買ったおかげで、この手のパンツを買う本数が激減したので、2本で10本分くらいの活躍具合。グレーの方はウールなので膝ついたりする作業時は穿けないけど、そこはコットンで まかなう。見事なコンビネーションなんですよ。体のいい言い訳。

まぁ、いままで さんざん買い捲りましたし、いい加減好みも安定。冒険することも少なくなってきたんで、最近また「気に入ったのなら、たまには高額なパンツも買ってもいいかな…」とは思ってます。ただ、根が貧乏症なもので、もったいなくて穿かないってな、儚い感じは避けて。

ちなみに、良さげで高そうなパンツ穿いてるときは、恐らく夜あたりにアレとアレな日だと思いますから、見かけたとしても そっとしておいてくださいね。

 

 

Photo:Riku Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。



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