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WOMAN ー こじらせ映画評

日髙夏子の「こじらせ映画評」

愛するが故の選択が二極する「たかが世界の終わり」

2017.2.20
2017.2.20

「愛している人に愛しているというのは、とても難しい。」

FORZA STYLE読者のみなさま、こんにちわ!

年始から、盆と正月がいっぺんに来たように(年始ではあったんですけどね。)バタバタしてしまいすっかり遅くなってしまいました・・・。気合いを入れなおして、これからもみなさんの記憶に鮮やかに残るような素敵な映画をご紹介したいと思いますので、こじらせ女への暖かい眼差しを、引き続きよろしくお願いいたします!

早速ですが、あなたはもし、まもなく自分がこの世から消えてしまうとわかったら、

どうしますか?

思いっきり泣き叫ぶか?

なんとかそれに抗おうとするか?

大切な人の側に続けるか?

出来れば想像したくないことではありますが、真正面から突き付けられるのが、今回ご紹介する恋人「たかが世界の終わり」です。

「たかが世界の終わり」のストーリー

この作品はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、世界中からの注目を浴びている作品です。何よりも監督のグザヴィエ・ドランはまだ若干27歳。その麗しい容姿で俳優としても活躍し、それだけに収まらず監督業にも進出し、瞬く間に絶賛されました。中でもカンヌ映画祭では早くからその才能を見込まれ14年に審査員特別賞を獲得。

©Shayne Laverdière, Sons of Manual

そして、この作品、グランプリの栄光を掴みます。さらに、美貌を活かしてルイ・ヴィトンの広告キャンペーンに自らがアンバサダーとして登場! その多彩っぷりで世界に旋風を巻き起こしています。かくいう私も、彼の才能にすっかり魅了されてしまった一人。

初期作から一貫して様々な家族の形を描いている彼ですが、今回描かれた家族が一番切なかった。なぜなら、「愛しているが故に傷つけあってしまう」からです。

ドランの描く家族の姿は、どれも強い絆を感じながらも、それが故に歪な形になってしまっている苦しく、でもその中にどこか希望を感じるものばかり。家族というものは、人間関係の中で目に見える、一番明確な関係でありながらも、その形は様々であり、最も歪な関係でもあると思うのです。

©Shayne Laverdière

12年ぶりに故郷に帰ってきた34歳の作家ルイ(ギャスパー・ウリエル)が主人公のこの作品。彼が帰郷した理由は、自分がもうすぐ死ぬということを家族に伝えるためでした。母(ナタリー・バイ)と妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)は、久しぶりの彼の帰りを楽しみにどこかそわそわと待っていましたが、兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)は二人とは違い、彼の帰郷を快く思っていないようでした。

©Shayne Laverdière

そして、アントワーヌの妻カトリーヌ(マリオン・コティヤール)は、ルイとはこれが初対面。ぎこちない会話が続く中、ルイは迷いながらも真実を打ち明けようと決意します。しかし、ある言葉をきっかけに家族の中にあったある歪みが見えてしまったことで、それぞれの隠していた想いが溢れ出て、ぶつかり合ってしまいます。それはまるで、彼が告白をすることを阻んでいるかのように…。

今回の恋人から私が教えてもらったことは、「愛するが故の選択」です。

©Shayne Laverdière

これまで想像したことなんてありませんが、家族に自分が死んでしまうことを告げるのは、どんな気分なのでしょうか? むしろ、自分がもうすぐ死んでしまうと知りながら生きていくってどんな気持ちなんだろう?

そんなことを考えていたら、ふと、あることを思い出しました。

昨年末、お仕事でお世話になっていた方が亡くなりました。ずっと病を抱えていたことは知っていましたが、まさか亡くなってしまうなんて・・・思ってもいませんでした。その事実を知った瞬間、私はデスクで思わず涙を流してしまいました。

それは、ただその人が亡くなったことが辛かっただけではなく、

あることを思い出したから。

ちょうど1・2ヶ月前のことです。その方は、いつもと変わらない笑顔で私たちのもとに姿を現しました。とにかく明るくてみんなを集めて大騒ぎするのが大好きなその方は、この日もいつもと変わらない笑顔でした。眩しいほどだったので、ちゃんとお元気で良かったと心から思った。その時に交わした言葉は、他愛無い一言・二言。

その直後に訃報を聞いたのでした。

私は、その時の笑顔が頭から離れなくて、どんな気持ちで私たちに会いに来たのだろう? 本当は何か私たちに伝えたいことがあったじゃないか? そして、どうして私は、そのことに気付くことが出来なかったんだろう?・・・そんなことを考え出すと止まらなくなってしまい、涙が零れ落ちてしまいました。

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