2016.1.29
『センテンススプリング』
ごきげんよう。
FORZA STYLEライターの西内悠子だわ。
私がFORZA STYLEの仲間として迎え入れてもらったのは...そうね、さかのぼること2ヶ月前。あれは12月のことだったかしら。
世の女どもがクリスマスデートに向けてのカウントダウンをはじめ、大したこともない体の、あんな場所やこんな場所に生い繁る剛毛とオサラバするべく脱毛サロンに通い始めたちょうどその頃ね。バカね、あなたたちの顔面じゃ、何やっても変わらないっていうのよ。
そんな性欲にまみれた街を背に、イルミネーションで煌びやかに彩られた街を背に、私は1人、そう、たったひとり、ひっそりと、記事を書き始めた。
冬って、女を口説きやすくなる季節だと思うの...。だって、人肌恋しいもの。「人肌恋しい」って、要は、性欲をオブラートに包もうとして包みきれてない、そういう言葉だと思わない?
そんな欲情まみれの冬の日に、私はあるプロデューサーから、こんなLINEを受け取った。
「今日、飲まない?」
LINE、流出させちゃってゴメンね。彼ったら、怒るかしら。でも、許してほしい。あちらはスプリングかもしれないけど、この文章を受け取ったこの季節は間違いなく、ウィンターだわ。
彼ったら、この欲情うずまく季節に紛れて私を口説こうとしてるのかって、そう疑ったの。私ったら、そんなにも人肌恋しそうな顔してるかしら? 私、いくらなんでも初めて飲んだ既婚者と寝るような女じゃないわ。でもね、季節がスプリングになりさえすれば、ほら、解放的な季節じゃない? そうしたら、たとえ既婚者とでも、寝てしまうかもしれないけれど。
そんなことを思いながら、私はセンテンスを送ったの。
「是非。」
あれよあれよという間に、私は彼と二人きりで、一室にいた。
そこのあなた? いやらしすぎるのよ。誰がホテルの一室だなんていった? 私が言ったのは、和食が美味しいお店の個室のことよ。
そう、その一室で、彼はささやいたの。
「入れたい...」
私の胸の鼓動が早まるのが分かった。だって、彼ったら「入れたい」だなんて、そんな直接的な言葉を私に投げかけてくるんだもの。
「ありがとうございます、ありがとうございます...。」
私はそうやって、ただひたすらお礼を言いながら、中に入れてもらったの...。
そう、ここ。
FORZA STYLEチームの一員に。
Text:Yuko Nishiuchi
1988年、兵庫県西宮市出身。同志社大学文学部哲学科卒。avexへの就職を期に上京し、3年半のOL経験を経てフリーライターとなる。在学時に自身のアメーバブログが大学生ランキング1位を獲得。会社員時代、dマガジン「Hot-Dog PRESS(講談社)」にて「おじさんハンター」として連載をしていた。