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【再録】ビジネスは腕時計に宿る!
第4回 ジェームズ・ホーガン(エティハド航空CEO)

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人々の心理を見事に掴む
両社に通じるブランディング

現在ウブロを率いているジャン-クロード・ビバー会長は、2004年にCEOとしてウブロに入社した。当時のウブロは雑居ビルのワンフロアに収まるとても小さな会社だったが、2005年に発表した「ビッグ・バン」が大ヒットし、一躍メジャーブランドへと成長した。

ビバー氏は「時間を確認するために、大金を時計に投じる人はいない。人々はステイタスを楽しむために、高級時計を買うのだ」と看破し、華やかなデザインや洗練されたストーリー、そして大胆なイメージ戦略を展開していく。サッカーワールドカップや欧州選手権の公式時計、ユベントスFCやロザンゼルス・レイカーズ、マイアミ・ヒート、ダラス・カウボーイズなどの人気スポーツチーム、そしてフェラーリとのパートナーシップを行うことで、ウブロを、「誰もが知る憧れの存在」へと昇華させたのだ。

2005年から始まったウブロの躍進を、2006年にエティハド航空CEOに着任したホーガンが知らないわけがないだろう。それからの両社の戦略や業績の伸び方は、奇妙なほど符合している。業種が異なるのでそのまま戦略を真似することはないだろうが、多少なりとも影響を受けていてもおかしくはない。

世の中は便利になり過ぎ、いくらでも安くて便利なモノがあふれている。しかし最後に人の気持ちを動かすのは、“憧れ”であり“情熱”である。

ウブロは高級時計を、実用品から“ステイタスを味わうための嗜好品”とした。そしてジェームズ・ホーガンは、エティハド航空を“乗ること自体がステイタス”である航空会社にしようとしている。

時計はその人のスタイルを示す鏡である。ウブロ×ジェームズ・ホーガンという組み合わせは、驚くほど相似形の関係になっているから面白い。

ウブロ「ビッグ・バン ウニコ キングゴールド」。自動巻き、18Kキングゴールドケース、ケース径45㎜/423万円(税抜) 
LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン株式会社 ウブロ 
03-3263-9566 http://www.hublot.com/ja/

ちなみにホーガンの腕に輝くのは、ウブロの傑作「ビッグ・バン ゴールド」。過去のデザインと現在的な感性を融合させ、さらにゴールド×グラスファイバーなどの素材を融合させる“フュージョン”というコンセプトから導き出されたスタイルが特徴。2005年に登場するや、世界的大ヒットを記録し、ウブロの名を世に知らしめた。ホーガンが着用する「ビッグ・バン ゴールド」は現在は販売終了しており、近似モデルがこちらの「ビッグ・バン ウニコ キングゴールド」である。

Photo:Getty Images
Text:Tetsuo Shinoda

James Hogan(ジェームズ・ホーガン)
1956年オーストラリア・メルボルン生れ。アンセット・オーストラリア航空やハーツ・レンタカー、ホテル業界を経て、2002年よりガルフ航空のCEOに就任。その後、2006年からエティハド航空のCEOに。就任当時は小さな飛行機と輸送機しかもっていなかったが、2008年には民間航空会社としては空前絶後である“205機発注”という離れ業で業界を驚かせる。

篠田哲生(しのだ てつお)
時計ライター
講談社「ホットドッグ・プレス」を経て独立。新聞、雑誌、ウェブなど、様々な体で時計記事を担当。時計学校を修了した実践派。著書に「成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。」がある。

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