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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「私の名前はオオタニさ~ん…」面白くもない【苗字いじり】をする残念な人たちは、一体何を考えているのか?

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

大谷翔平選手の元通訳による事件が大々的に報じられ、波乱含みで始まった今期のアメリカメジャーリーグ。もともとの人気にさらなる話題が加わり、日本中が連日同選手の話題で持ちきりとなった。そのせいか突如聞かれるようになったのが「大谷ハラスメント」なる新たな謎語。これについて危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。

「大谷ハラスメントとは、大谷翔平選手に関するニュースの多さに食傷気味な人たちが報道姿勢に対し批判の意味を込めて言い出した言葉と言われていますね」

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ハラスメント全般について取材を継続中だが、今回は長年「苗字イジりストレス」にさらされている人物からの訴えをお伝えする。

「大谷ハラスメントという言葉がありますが、私は苗字が大谷なので、行く先々で『オオタニさ~ん』と呼ばれてうんざり。全く別の意味の『大谷ハラスメント』に遭っています」

こう話すのは、48歳のパート従業員大谷はな子さん(下の名前は仮名)。

「私の旧姓は北島(仮名)といいますが、これは母の旧姓で、親が離婚する前は父の姓である浅丘(仮名)を名乗っていました。浅丘だった頃のあだ名が『ルリ子』、親の離婚後北島になってからは『さぶちゃん』でしたね(苦笑)」

取材対象者保護の観点から、記事内でははな子さんの2つの旧姓を仮名でお伝えしているが、実際の2つの旧姓もそれぞれ有名芸能人と同じ苗字であり、学生の頃はその苗字にちなんだあだ名で呼ばれていたとのこと。

「子供の頃などは、浅丘はな子ですと自己紹介すると、男子が大体『ルリ子じゃん』と叫び、そこからルリ子呼びが始まります。担任までそう呼んでいた学年もありましたよ。

私が小学校を卒業すると同時に親が離婚して苗字が北島になりましたが、中学では全てのクラスで『さぶちゃん』と呼ばれ、高校でも一部の人にそう呼ばれました」

時々笑顔を見せながら語るはな子さんだが、当時はうっとうしくて仕方がなかったという。

「なんで私がそう呼ばれなくちゃいけないんだろうっていう当たり前の疑問をいつも持っていたんですが、周りは『せっかく北島なんだから呼び方はさぶちゃんが妥当だし、それが一番面白い』みたいな雰囲気でした」

当時はリーダーシップのある誰かが勢いであだ名をつければ、それがそのまま採用されることが多かったそうで...

「拒むとか断るとか、そういう選択肢はなかったです。なすがままですよね。最近の子供は学校であだ名NGになっていたりするようですが、私たちが子供の頃はそんな規制ありませんでしたから」

有名人と同じ苗字というだけでイジられていたのは、はな子さんだけではない。一部の加藤さんは「カトちゃん」と呼ばれ、大橋という苗字の友人は「巨泉」と呼ばれた。

「大きな事件の犯人と同じ苗字の子は事件の名前や『犯人』と呼ばれたりしていて、それは特に気の毒でしたよ」

一方で、苗字でからかわれたくらいでハラスメントだと騒ぎたくないという気持ちもある、とはな子さん。

「私もネタとして使ったこともあるし過去のことだし。でも18年前に結婚して北島から『大谷』になったとたん名前でイジられなくなって嬉しかったのは事実です。何だか自由になれた気がしました」

かつての苗字イジりは心の傷でも何でもないが、昔の友人が未だにはな子さんのことを「さぶちゃん」と呼ぶのを見聞きした時に覚える違和感はかなり強い。

「好きで呼ばれていたわけじゃないのに、私=さぶちゃんとなっているのって本人からしたら奇妙ですよ。呼びたければ呼べばいいですけど。私はもう大谷だし」

しかし、はな子さんが大谷という苗字になって名前をイジられなくなった快適さも、やがて終わりを迎えることとなってしまった。

☆結婚して苗字イジリから解放されたはな子さんだったが、快適さも束の間、今度は『大谷ハラスメント』に悩まされることに。面白くもない苗字イジリをされ続ける人たちの苦悩に迫る☆
 

取材・文/中小林亜紀

▶︎後編に続く


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