「お金なら親が出してくれる、僕は知らず知らずのうちにそう思っていたのかもしれません」。
譲さんはその後もギャンブルにのめり込んでいく。勝てる日もあればそうでない日もある。仕送りが足りなくなるとサラ金で借金をする。その繰り返しだったそう。
「仕送りがくれば、返せるので軽い気持ちで20万くらいを借りる生活でしたね。借金に罪悪感なんて微塵もなかったし、どうにかなると思っていました」。
しかし、ある日を境にそうも言っていられない状況に陥る。
「気がついたときには、方々から300万円を超える借金をしていました。返済に困り、また借金をするという繰り返しです。それでもパチンコはやめられませんでした。この頃には大学も中退。親は何も言わなくなって、連絡も途絶えていました」。
親からの仕送りと日雇いバイトで借金を返済しながら、パチンコをする暮らしはなんと30歳まで続いたと話す。【後編】では、人生再起のチャンスを迎えながらもさらに闇へ落ちていく譲さんに迫っていきたい。
取材・文/悠木 律
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