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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「近所の家に毎日突撃して、無邪気に『おやつちょーだい!』」他の親たちは知らんぷり。学区内”貧困児”の「あまりに深い闇」

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聞けば”問題児”のAは、ある土曜日の昼前、日頃学校で仲良くしているわけでもないB宅にいきなり「遊びに来たよ」と告げて家に上がり込んだ。そして来るなりおやつを食べ尽くすと、さらにおやつを要求したのだとか。今どきはアレルギーへの配慮が前提で、知人の子におやつを出す際にも母親たちは気を使うものだが、それより何より、Bの母親は初対面のAの食べっぷりに驚いたという。Aはその後、ゲームやおもちゃを片っ端から出して遊び、家中を散らかして帰ったそうだ。

「もう二度とあの子を呼ばないでと娘さんに言ったら、誘ったことなんか一度もないと反論されたそうです。勝手に来たということなんですよね、多分。で、その後Aちゃんは、小学生がいる町内の家庭に次々突撃訪問しては食べ物やゲーム遊びを要求するようになり、気づけば町内の鼻つまみ者になっていたそうです」

ママ友との久々の電話連絡で初めてAの噂を聞いたまどかさんだったが、「とんでもない子だな」とは思えなかったという。それよりも、Aは学校にも馴染めていないのではないかと想像し、胸を痛めた。というのも、まどかさんは子供の頃経済的に苦労した経験があるため、その噂を聞いただけで「もしかすると、Aちゃんの家は貧困家庭なのではないか」とすぐにピンときたのだそうだ。

「私、父が事業に失敗して貧乏になった時期があったんです。その頃、たまたまクラスの子のお家にお呼ばれした時、出された食べ物が美味し過ぎて、我を忘れて食べたんですね。Aちゃんの話を聞いて、そのことを思い出しました。もしかしてAちゃんはお腹が空いてるんじゃないかなって」

しかし、惨めな生活を経験したことのない人は往々にして、親の人格や職業に着目してしまう。まどかさんの周囲の大人たちは、「今どきの親はろくに礼儀も教えない」とか「どうせ子供そっちのけで、男を連れ込んで暮らしているのだろう」などという憶測や批判しか思いつかないようだという。

息子の同級生の問題行動を噂で聞き、まどかさんは家庭の経済的事情を察したが、周りの大人たちは批判するばかりであった。後編ではAの更なる問題行動と、思わぬ人物が噂の元であったことをレポートする。

取材/文 中小林亜紀

▶︎後編に続く


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