赤峰流の“色被し”が炸裂する「カーキ」色の料理法
日本の服飾業界の重鎮として活躍している、ファッションアドバイザー・赤峰幸生氏。御年78歳でInstagramのフォロワーは5万5000人超、服飾のみならず、アートや歴史の分野にまで及ぶ博覧強記で、老若男女を問わずたくさんの方々に支持されています。
そんな赤峰氏が語る、誰も教えてくれなかった「紳士服の教科書」。今回は、色の料理法の中でも日本人が苦手とする「カーキ」をテーマに、スーツをバラして5パターンのコーディネートを作り上げます。
カーキの色合わせも得意な「カーキー赤峰」の変幻自在コーデ術
皆さん、こんにちは、カーキー赤峰です。カーキ色は、たとえばローデングリーンのように、美しくカッコイイ色ですが、ヨーロッパの人のように上手に使いこなせる日本人は少ないですね。ぜひカーキの色味に挑戦してください。
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今回の主役は、グリーン、茶色、カーキ、レンガ色など何種類もの色が入ったスーツです。ジャケットはパッチポケットなので、単品でカジュアルに使えますし、トラウザーズも単品で着こなすことができます。
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今回はこのスーツをバラして使って、「着回し5スタイル」に挑戦しましょう。
スタイル1:赤峰流の“色被(かぶ)し”は、ワントーンで色感を出す
まずはスーツをそのまま使います。ジャケットのインナーには胸にパッチ・アンド・フラップポケットが付いたシャツを合わせます。ジャケットとシャツの間に、私が作った赤峰オリジナルのVネックニットをレイヤードします。
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ソックスは、ラスト(赤さび)系の明るめのものをチョイスし、靴は抑えた色味の茶色を合わせます。
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そして、冬の雨模様の日には、薄手の英国軍のミリタリーコートをさらっと羽織って。マフラーはオレンジの“色被し”にしてコーディネートを仕上げます。
スタイル2:トラウザーズを軸にしたカーキ系バリエーションを着こなす
スーツの組下パンツを単品のトラウザーズとして使います。相性が良い色はベージュで、ニットはレンガ色を選択。カーキはもともとベージュにグリーンを足していくことで出来る色なので、シャツのベージュは間違いない色です。
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そして、アウターには、ショールカラーのカーディガンジャケットを合わせます。ホーズはニットのレンガ色で、靴は茶系を合わせましょう。
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最後の仕上げに大判のストールを選びましたが、まず三角に織り込んで、ぐるぐると巻き込んでいきながらロングスカーフのような状態にして巻くと、コーディネートが決まります。
スタイル3:シャツとニットのカーキとイエローは、相性が良い合わせ方
トラウザーズを単品で使って、カーキにイエローが混ざったカシミアコットンのシャツと、トラウザーズの色を拾ったカーキのクルーネックニットで“色被し”を。カーキとイエローはとても相性が良い組み合わせです。
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アウターは、バブアーのオイルが効いていないコットン素材のハンティングジャケットをチョイス。ポケットに手が入れやすく作っているのがハンティングジャケットの特徴です。
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足元はカーキのホーズと、カーキの軍用のスニーカーを合わせて。仕上げに、濃いめのカーキのスカーフを首に巻いて出来上がり!
スタイル4:ハンティングというスポーツをイメージしてどう着こなすか
次は、パッチポケットのジャケットを単品で使ったコーディネートです。今回はタイドアップしてみましょう。ジャケットのインナーには、オフ白、クリーム系のシャツに、ラスト(赤さび)系のベストを重ねて、ネクタイは鴨の柄が付いているものをチョイス。「ハンティング」というスポーツをイメージして着こなしを考えます。
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ボトムスは、もう20年ほど穿いているモールスキンのパンツに、レンガ色のホーズと、茶のサイドゴアブーツを。さらに、カントリーは寒いので、ローデンコートを羽織りますが、これはバーバリー社がローデン社に別注したローデンクロスを使っているコートです。
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そして最後の仕上げのマフラーと、おまけに赤みの効いたグローブを合わせます。
スタイル5:ジャケットのボタンの色と色を被していくのが赤峰流
5つめのスタイルは、ジャケットを軸に、トラウザーズはレンガ色の5ポケット・ジーンズを合わせます。シャツはジャケットのペーンの中柄に対して、細かいギンガムチェックをチョイス。ニットは薄いベージュのクルーネックにして、シャツは襟だけ出るように。
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足元のホーズとスニーカーはレンガ色でまとめて、最後の仕上げに、バーバリーのハンティング用ジャケットを上に羽織ると、色の調子がピタッと合います。ボタンの色のトーンまで完璧に色が被っています。さらに、寒い日なら、茶のヘリンボーンのスカーフを巻いてみましょう。
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ぜひみなさんも参考にして、カラーコーデを自分のモノにしてみてくださいね。
Text:Makoto Kajii.