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「ホント、やめてくれー!」能登半島地震の被災地で実際に起こっている!災害時に「絶対やってはいけない」ワースト5

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

大規模な災害時、まともな大人なら絶対にやってはいけない「アウトな行為」があります。残念ながら今回の能登半島地震では、いい歳した大人たちがそれら全てをコンプしてしまいました。

1.現場に電話しちゃう

地震発生直後、ある評論家が石川県の志賀原発に電話し、クソ忙しい担当者を捕まえ「放射能は大丈夫か?いつわかる?住民は逃げるべき?」と質問したそうです。

その愚かな行為は、限られた現場リソースと通信手段を確実に奪います。なんで電話しちゃうの? SNSでそのやり取りを誇らしげに報告し「人手が足りないそうです」と書いている様子からも、ご本人は全くわかっていない模様。東日本大震災でもさんざん批判された愚行です。いい加減学びましょう。

2.素人が現地に乗り込む

来るなと言っているのに現地に行っちゃう自称ジャーナリスト、YouTuber、党首。本来そこに居ないはずの素人が装備も情報も経験もなく乗り込めば、いま一番減らしたい「ケアすべき人数」が増えてしまう。行っちゃダメ、連れて行くのもダメ、今じゃないから。

某氏は「渋滞に巻き込まれた!現地で物資が買えない!」とSNSで嘆いていましたが、その渋滞を酷くさせているのはアナタだし、買えなかったのは現地の人が必要だからです。たとえ誰かに感謝されようが、それを超える巨大な弊害を生み出す行為。動機、背景、肩書き問わず、もれなく「迷惑系」です。

3.個人で支援物資を送る

現場が「今は送らないで」って言っているのに、なぜか送ろうとする。個人が少量を送れば、それを受取り確認、仕分け、保管する稼働が生まれます。ボランティアもそうですが、何かを受入れる際には現地に大きな負荷が発生するのです。大人ならそれくらい分かるでしょ?

ちなみにSNSには、まさかの「千羽鶴を送ろう」アカウントまで出現。日本の伝統だから送るのは良いことだそうです。すぐに大批判を浴びました。マジやめて。

4.デマを拡散させる

地震発生の翌日、あの鳩山由紀夫元首相が「志賀原発で火災が起きた」と投稿。もちろんデマだったんですが、それが誤りだと指摘されても「実際に火災があったかも、怪しい」と応じず。

まあいつも通りの鳩山氏ですが、震災時に許される行為ではありません。また今回は、閲覧数稼ぎの「救助を要請するニセ投稿」も多数確認されました。その投稿のせいで現場に負荷が生じ、救助できたはずの命が救えなくなるかもって、ちょっとは想像できないんですかね?

デマ拡散については、内閣府の公式アカウントが「流言は智者に止まる」と、珍しくかなり強めの表現で批判しています。「無能はデマを拡散させるが、有能は拡散を食い止める」という意味だそうです。良い言葉ですね。

5.素人が思い付きで騒ぐ

ある著名人が、災害現場でホワイトボードが使われているのを見て「なんてアナログな」とSNSで批判、話題となりました。ちなみに停電リスクや情報の一覧性観点で見ても、ホワイトボードはかなり適切なツールです。

また「なぜ救援物資を空中投下しないんだ」(答:危険かつ量が運べないから)と騒ぐ記者や「熊本地震より自衛隊の派遣人数が少ないじゃないか」(答:地形・状況が決定的に違うから)という活動家なども。

過去の知見に基づき黙々と災害対応を進めている最前線の人たちを思えば、素人が思い付きで騒ぐ行為がどれだけ滑稽で邪魔なのか、お判り頂けるでしょう。

……これ全部、大人がやっているんですよ。「声のデカい、行動力あるおバカさん」が現場の足を引っ張る姿、子供たちにはとても見せられません。

では、私たちはこの状況で何をすべきか。

大災害は私たちの日常、普通の日々を根こそぎ奪おうとします。直接被害に遭っていなくても、楽しいことや嬉しいことに、何となく後ろめたさを感じてしまう。でもそれが経済活動を縮小させ、結果的に復興を遅らせるのです。

いま大切なのは、真っ当でメジャーで、偏りのない団体に募金し、被災地を思う気持ちを忘れず、そして「普通に過ごせる人は普通に過ごす」ことです。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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