【後編】結婚とは＜性的同意＞なのか「１年拒み続けたら離婚できるんだぞ」夫への性の服従に苦悩した３０代妻の決断

「恥ずかしい話ですが、高名な国立大出身の夫が間違った知識を披露してくるはずがないという思い込みがありました。彼はきっと制度や法律に詳しいから、無知な私がいけないんだと」

追い詰められたさつきさんは夫からの脅しに屈し、そこから１年近くも性行為を受け入れ続けてしまう。不本意な行為であるせいか体には受け入れ態勢が整わず、結果的に痛みが常態化した。

「やればいいんでしょ、と開き直るような気持ちになり、グッズなどを使いながら応じてしまいました。妊娠したらやめられる、という気持ちになってしまっていたんです」

さつきさんは夫の言動が性暴力にあたることに気づかず、それを配偶者としての義務ととらえてしまったのである。さらに夫は「渡りに船」とばかり彼女の心理状態を利用した。

「嫌な気持ちが顔に出てしまったのが気に入らなかったのか『なんだよその顔。ムードも何もあったもんじゃない』とキレられ、まるでレイプされているような感覚になりました」