10年先を見据えたコートで、スタイルを確立する!
人気連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第75回目は「編集長おすすめコート」。テーマとして掲げるのが、「トレンドに左右されない、長く着られるコート」です。
かつてファッション業界はトレンドという括りの中で提案が行われ、シーズンが過ぎるとそれは古いものとして消化されてきました。ところが、昨今のファッションシーンは多様化し、トレンドだけにとらわれず様々なスタイルを自由に楽しめるようになっています。
「どんなスタイルを楽しんでもOK。そんな中で注目されているキーワードが、原点回帰。本質的に良いものを、長く着るというものです。今回のコート選びは、まさしくそんな考え方に軸を置いたものです」
価格がそれなりに張るコートは、できるだけ長く着続けたいもの。折しもここ数年のクラシックやトラッド人気によって、定番コートが再定義され定着の様相を見せている中とあって、新調するのに絶好の機会です。
「長く着るなら、やっぱりブラックやネイビーダークカラーといったダークカラーがオススメ。コーディネートもしやすいですしね。」
加えて、各コートの出自を知っておくのも大切とか。
「ミリタリーが由来であるとか、このパーツにはどういう意味があるとか、コートの出自を知っていると、自然と合わせるコーデが見えてきますから」
多様な時代だからこそ、原点を知ることは大切。それを理解して手に入れたコートなら、スタイルの指針となってくれるはずですよ。
1PIU1UGUALE3 / ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ
伝統を紡ぎつつモダンに進化したダッフルの現在地
ニット11万円/バトナー(伊勢丹新宿店)、パンツ4万2900円/ベルウィッチ(アマン)、ブーツ19万9100円/ジョンロブ(ジョン ロブ ジャパン)、時計「ポルトギーゼ・クロノグラフ」267万3000円/IWC
トラッド人気の中、注目されているダッフルコート。とはいえ、そもそもは定番のコート。その出自は民族衣装で、その後漁師や海軍のコートとして採用された歴史があります。
「トグルボタンやレザーループといった伝統的なデザインを踏襲しつつ、着姿は現代的で洗練されたシルエットになっているのが見どころ。生地もジョシュア エリス製で、大人が着るに相応しい上質感があります」
良いコートは良い素材を使っているんです
ビッグヘリンボーン織りの生地は、高級ストールなどでお馴染みのジョシュア エリス製。
「トグルボタンには希少性の高い本水牛の角を採用。その大きさといい、一見して上質なダッフルコートだと気づいてもらえるかと」
干場編集長のアドバイス①「時計」
トラッドにとらわれず、エレガントを意識
腕時計には、オトコらしさと品が両立するポルトギーゼ・クロノグラフを。
「18Kレッドゴールドのケースとグレーダイヤルが、ダッフルのオトコらしさと白ニットのやわらかな雰囲気を調和させてくれます」
干場編集長のアドバイス②「シューズ」
存在感がありながらあくまでも品が良い足元に
フード付きに加え、ビッグヘリンボーンが存在感のあるダッフルコートに対しては、足元にもボリュームを。
「コーデのテーマは、トラッドをモダンかつスタイリッシュに。ソールに厚みがありつつもトゥはすっきりとシャープなブーツは、まさにグッドバランスです」
Belvest / ベルヴェスト
ビジネスでもデートでもオトコを上げるコート
大人の男性なら、1着は持っておくべきコートの代表格。チェスターフィールドコートは、クラシックなスーツはもちろん、昨今はカジュアルダウンして着るのもあり。こちらはスーパー180sという上質なウールを採用。無駄のないシルエットと相まって、袖を通すと思わず背筋が伸びます。
MOVB / モーヴ
アメカジにならないジェントルマンのピーコート
ダッフルと同様に海軍で採用されたコートと言えば、ピーコートも外せません。オトコらしい印象がより強い型ですが、こちらはストレッチ性のあるジャージーを採用し、さらにゆったりしたAラインシルエットに仕上げることで、イマドキなリラックス感と共にモードな雰囲気も楽しませてくれます。
Takashimaya STYLE ORDER SALON / タカシマヤ スタイルオーダー サロン
いっそオーダーで作れば、頼れる相棒に
長く愛用できるコートを手に入れたいなら、髙島屋各店にあるタカシマヤ スタイルオーダー サロン(日本橋・新宿・横浜・大阪・京都の5店舗)でオーダーするのも手です。こちらは尾州産の別注ウール生地を使ったベルテッドコート。美しい光沢感が、一見して質の高いコートであることを示してくれます。ラグランスリーブと理想的なシルエットも、もちろんその要因に。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
【問い合わせ】
ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ GINZA SIX店 03-6264-5024
伊勢丹新宿店 03-3352-1111(代)
モーヴ 03-3470-2200
日本橋髙島屋 S.C. 本館6F タカシマヤ スタイルオーダー サロン 03-3211-4111(代)
IWC 0120-05-1868
アマン 03-6805-0527
ジョン ロブ ジャパン 03-6267-6010