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LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

「DV夫が逃避先に突然やってきた!」他人の子供の写真をSNSに勝手にアップするママ友のデリカシー問題と小児性愛者のリスク

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

先日、幼稚園の保護者さん向けに講演した際に、若いお母さんから「子供の写真はネットに載せない方が良いですよね?」というご質問を頂いたんですね。

この話題、「載せない」というスタンスの保護者さんは割と多く、でも結論から言うと「どっちでも良いのでは(少なくとも自分の子供に関しては)」というのが私の答えです。

別に、積極的に載せようぜ!とか、リスクなんて無いよという話ではありません。ただ子供たちが日々直面している「ネット以外」の様々なリスクと比較した時に、画像のネット投稿だけを特別扱いにする理由、特にないんですよね。

ネットに載せるリスクって、一般的にはその画像を悪用されるとか、変質者に目を付けられるとか、そういった類のボンヤリした危険でしょう。事案としての発生頻度は統計的にもかなり低いです。

一方で「近所の公園」に毎日出かける際の事故、犯罪被害に遭う可能性、そもそも家の外に出かける行為、通園や通学という行動の方がはるかに高リスクであり、トラブルの発生確率もケタ違いです。家もすぐバレます。

だからと言って、じゃあ公園はやめる、家からも出ない、とはならないですよね。リスクは「発生確率」とその「被害内容」を比較、優先順位をつけ、どれくらい気を付けるかを決める必要があるのです。そう考えると世の中、画像よりも気を付けるべきリスクが山盛りですよ。

普段はみんなやっているハズなのに、なぜかネットの話題になると、みんなこの順位付けをやめてしまう。本当に気を付けるべきリスクを見失ってしまうのです。

「いや、18歳の女性が『自分の子供時代の写真』をネットから消してくれ、と実の親を訴えた海外の事例もあるぞ」と言われる方もいます。有名な裁判ですね。でもそれ別の問題で親子関係がこじれてるのでは、と感じざるを得ない内容だったし、かなりのレアケースなので正直基準にならないんですよ。

とは言え、ネット上には画像を収集する小児性愛者もいるはずで、目の前に迫るリスクではなくても、我が子の画像投稿は感情的にNO、と感じるのも当然です。最終的にはご家庭それぞれの判断になるでしょう。ただ実際、全国各地でトラブルになっているのは、この「ご家庭それぞれ」の方なのです……。

撮影NGの学校、その理由とは

日頃から「子供の写真は載せない」「子供の実名は書かない」みたいなポリシーでSNSをやられているご家庭のアカウントに向かって、

「○○ちゃん(本名)おっきくなったねー!」

「運動会の○○ちゃんの写真、載せておいたよ!」

みたいな投稿をしちゃう、配慮のカケラもない人、いますよね。「別にいいじゃん、私は気にしないよ」という雑なブルドーザーみたいなママ友パパ友、いますよね(この話をしたら会場の保護者全員、首がもげるくらいうなずいてくれました)。

小児性愛者のリスクは公開設定で低減できますが、ブルドーザー夫妻は至ってはどうにもできない。だってSNSでつながってるし、せいぜいプロフに注意書き(このページでは○○を投稿しないようにしている等)を添えるくらいしか対処法はありません。絶対見てくれないけど。

講演でメジャーな温泉地の学校を訪れると「校内で撮影した画像はSNSに載せないで」と耳打ちされることがあります。DV夫から逃げてきた母子が温泉街にたどりつき、住込みの仲居として働きながら身を潜めているケースがあるからです。逃亡先がバレないように、という配慮なんですね。

実際に過去、同級生のママ友が不用意に投稿した画像に「逃げている子」が写り込み、それを夫が見つけてしまい「子供に会わせろ!」と騒ぎになったこともあったそうで。

気遣い、マナーとして、よそのお子さんはもちろん、大人にだって一言「載せてもいいんだっけ?」と声掛けするのが基本だと思うんですけどね。その一言で「配慮が出来る人だな」という評価も得られるワケで……これやらない理由、一つもないですよね??

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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