ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

【SNSの罠】承認欲求の塊と化した「フェイスブックおばさん」他人の個人情報、無断投下が招いた血も凍る悲劇。

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

若年層にとってFacebookはもはやオワコン。実際に20代に話を聞くと「しばらく開いていない」「投稿はしない」という声も多かった。10代に至っては利用が13歳からということもあり、「利用していない」と答える人も。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「Facebookは世界で29億人、日本でも2600万人がアクティブユーザーがいるといわれる世界を代表するSNSです。実名を基本としているので、プライバシー性の高い投稿、コミュニティになるのが特徴です。さらに日本では就職活動に活用されることもあり、仕事関係からのフォロワーが多いことも。このように匿名性がないところが若年層からの人気が低迷している理由のひとつとして挙げられています」。

それに対して熟年層ではまだまだ活用しているという人が少なくない。

「仕事や子育てにひと段落して、懐かしい友人とのやりとりをFacebookで行っているという話もよく耳にします。InstagramにX(旧Twitter)、TikTok、スレッズ、BeRealと次々現れる SNSに対応しきれない、さらにはそこまでのめり込みたくないがゆえ、Facebookだけを使い続けるという側面もあるのかもしれません」。

今回は50代女性がFacebookを活用するなかで起きたあるトラブルについて話を聞いていきたい。

……………………………………………………………………………………………

Yahoo! 配信用パラグラフ分割
©︎GettyImages

金泉洋子さん(仮名・59歳)は、毎日のFacebook投稿を欠かさない。

「仕事のこと、家族のこと、地域のこと、それから買い物のこと、飲み会のこと…結構どんなトピックスでもあげちゃいますね。日記感覚で使っているという感じです」。

溌剌と答える洋子さんは、フェイスブックを使い始めて8年ほどになるという。

「コメントの返信は、結構大変ですけど、なんだかんだ会えないみんなとここでやりとりできるのは、嬉しいですね。昔の上司や大学のゼミ仲間とか、普段頻繁に会えない人たちが、コメントをくれるんですよね。ここだけの話、中学時代の初恋の人からもコメントがよくきます。おもしろいもんです」。

洋子さんは実名、さらには出身地、出身校、以前の勤務先、誕生日、恋愛対象など、多くをオープンにしていることから、知人からも見つけられやすいのだろう。

「始めた当初はやっぱりフォロワーの数が気になりましたが、今はコメントが気になるかな。実はほかのSNSはアプリをダウンロードまではしたけど、そんなにのめり込めなくて。結局、しっかりやっているのはFacebookだけ。顔の知らない人と交流を持ちたいという気持ちはないので、Facebookが合っていたのかもしれません」。

洋子さんはFacebook繋がりで連絡を取り合い、実際に会うことも多いと話す。

「そうそう。Facebookでよくコメントをくれる上司とは最近2ヶ月に1度くらいのペースで飲みに行っています。それから大学のゼミ仲間とのやりとりもFacebookが多いですね。1度数人で集まったときの写真をアップしたら、懐かしい面々が次は会いたい!とコメントくれて、この間大学時代に一緒にやんちゃした8人で会いましたよ」。

こんなふうに青春時代を一緒に過ごした仲間との再会が増えていると話す洋子さん。飲みに行く回数も増え、旅行に行く計画もあるという。

「夫は何も言いません。というか、興味もないんじゃないかな?四半世紀一緒にいますし、お互いもう好きとかそういう感情はありません。もちろんセックスなんてすることもありませんし、10年以上ベッドも別々。ただ、決定打がないから離婚をしないと言った方が適切かも。とは言え、特別仲が悪いわけではありませんよ。2人でいれば、しゃべりますし、食事も作ります。でも、外にわざわざ飲みに行くなら、少しでもときめく人といきたいから、夫とはいきませんね」。

これが世の中の50代の普通なのだろうか。そんな洋子さんが先日あげた投稿である事件が起こる。

「その日は、息子が久しぶりに帰ってきたんです。だから張り切ってご飯を作った話。それからネタ的に娘の昔話をアップしました。昔話っていうのは、実は浪人していたって話。この春に大学を卒業したし、もう時効かなって。ちょっと自虐的な投稿って、盛り上がるんですよ」。

洋子さんの睨んだ通り、そこにはコメントがずらり。

ーうちの子も全然勉強していないから留年確定

ー俺も若い頃は勉強しなくていつもギリギリだった

ー浪人してもちゃんと大学行ってえらい

「昔の俺は〜的なコメントもすごい多いんですよね。確かにイケイケでしたもんね!とかコメ返するとさらに話が盛り上がるんですよ。いくつになっても承認欲求があるんですね」。

承認欲求があるのは、洋子さんも同じである。しかし彼女はそのことに気がついていない。【後編】では、息子の個人情報をアップしたことから巻き起こったあるトラブルについて話を聞いていこう。

取材・文/悠木 律



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5