香織さんのお眼鏡にかなった男性は、勝也さん(仮名・30歳弁護士)だ。
「たまたま私の知人の紹介で入会した男性でした。名門大学出身で海外留学の経験もある好青年です。何でも、両親からの勧めで『しっかりした家の女性との結婚を望む』とのことです。私はいち早く勝也さんに真子を紹介しました。
ズルいと言われるかもしれませんが、元々は娘の婚活のためにと思って働き始めた場所です。こんな優良物件、逃してなるものかと思いましたね」
それほどハイスペックな男性が今まで成婚できなかったのは、なぜだろうか?
「私も不思議に思って訊いてみると、海外生活が長い勝也さんは、日本人女性の『あいまいな表情や返答』が苦手だったらしくて……。確かに、にっこり笑って『前向きに考えます』『魅力的な男性ですね』と言いながら、その後音沙汰がないのはよくあること。
白黒はっきりした女性のほうが自分に合うと苦笑していました。そこで、真子を紹介したんです。理系なので白黒はっきりして明確な返答で無駄がないですし、男性への接し方はCA流に指導しました。
料理に関しては、分量や温度など、数学を応用してこなしていましたし、家事は母親の私がサポートすると言い聞かせて、仮交際に進めたんです」
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