色も素材も豊富に展開! アナタはどれを選ぶ?
連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第62回目は「M-65」。秋のアウターにおける大定番とあって、その選びや着こなし方をマスターしておいて損はないですよ。
オトコなら一度は着たことがあると言っても過言ではないでしょう。ミリタリージャケットとしてのみならず、メンズのジャケット界における永久定番と称されているのがM-65です。
「メンズアウターの中で、定番とされているアウターはいくつかあります。特にミリタリー発祥においては、ダッフルコートやピーコート、トレンチコートなど。その一つがM-65です。特徴は、フラップ付きの大型ポケット、ジップアップ、フード内蔵のスタンドカラーなど」
ちなみにM-65とは、1965年にアメリカ陸軍で採用されたフィールドジャケットだから。
「戦うためのジャケットであり、印象はもちろんワイルド。各ディテールも実に無骨です。でも、それらの特徴を踏まえながら、スタイリッシュにアレンジしたものも沢山出ているんです」
カジュアルブランドからはたまたラグジュアリーブランドまで、M-65をサンプリングしたジャケットは豊富にリリースされています。
「定番色は陸軍とあってやっぱりオリーブグリーンですが、ファッションアイテムとして定着してからは、ネイビーやブラック、ベージュなど様々な色が出ているので、選択肢が結構多いんです。生地もナイロンなど軽いものや、また中綿入りといった進化系も出ています」
探すに苦労しないのはとても魅力。とはいえ、本来ミリタリーなアイテムをどうやって着れば良いのでしょう。
「スラックスなどと合わせて上品に着るのもあり。ですが、やっぱりデニムやブーツといったオトコらしいアイテムとの相性が抜群です。とはいえ、カラフルなネルシャツやダボダボのダメージデニムといったいかにもアメカジでまとめるのは、大人として野暮ったさが気になるところ。そこで、スタクリ定番のスリムブラックデニムとヒールブーツの出番。オトコらしさの中にも都会的な洗練さを両立できます」
あると便利なアイテムはいくつかありますが、M-65もその1着のようです。
ASPESI / アスペジ
色次第で印象激変! 大人の場合、モノトーンがカギ
Tシャツ9350円/クロスクローゼット、デニム3万8500円/マインデニム(マインド)、ブーツ7万5900円/ダブルエイチ(オリエンタルシューズ)、その他干場編集長私物
オリジナルの魅力を踏襲しつつ、イマドキな要素も両立するM-65の使い手といえばここ。今回はネイビーをチョイスし、都会的なコーデを目指してみました。
「ディテールは無骨ですが、ネイビーにすることで一気にスマートな印象に変わります。その他のアイテムをモノトーンにまとめれば、オトコらしくも都会的なコーデになります」
中綿ベストの有無で、雰囲気をガラリと変えてみる
ハリのあるコットン生地が、洗うほどに味を出してくれるのも見どころ。単体でも着られる中綿入りのデタッチャブルベスト付きなので、今時期から厳冬シーズン前まで長く着られます。
「ネイビー同士とあって、セットアップ感が楽しめます。大型ポケットしかり、あくまで実用的というのがオトコ心をくすぐります」
干場編集長のアドバイス①「サングラス」
やっぱりミリタリーなサングラスと好相性です
本来ミリタリーアイテムとあって、サングラスとの相性は言うまでもなし。特にこんなティアドロップは、抜群にマッチします。
「ネイビー×モノトーンでまとめているので、これぐらいキャラ立ちしたサングラスでもやり過ぎ感なくハマってくれます」
干場編集長のアドバイス②「時計」
せっかくなら腕時計もミリタリー揃えで
サングラスにティアドロップをチョイスしたとなれば、腕時計も同じくミリタリーな1本を選びたいところ。
「IWCのパイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41 トップガンです。陸軍と空軍で違いはあれど、無骨なクロノグラフがやはり似合います」
干場編集長のアドバイス③「ブーツ」
オトコらしくもスマートに、足元は引き算で
足元にはヒールに高さがあるブーツを。さらに注目なのはシューレースがない点です。
「編み上げブーツだと、どうしてもタフさが目立ってしまいます。デニムがスリムであるように、ドレス感を意識した方が野暮ったく見えないですよ」
TOM FORD / トム フォード
ここからも出てるのが、絶対定番の証です
さらっとした風合いの生地は、ポリエステルとコットンのブレンド。胸ポケット両側にメタルジップをあしらい、ミリタリーらしさと高級感を両立させています。さらに注目は袖口や襟。シグネチャーでもあるレザーパイピングをアクセントにすることで、ラグジュアリーブランドらしい風格を匂わせます。
MooRER / ムーレー
見るからにラグジュアリー顔なM-65もあり
M-65をベースにしつつ胸ポケットは一つ、そして生地も光沢のあるナイロン×ポリエステルにすることで、ここらしいラグジュアリー顔に仕上げているPORTO。シャカシャカした生地は着心地も軽く、また色も落ち着いたカーキとあって、スラックスとも相性抜群です。
MooRER / ムーレー
こんな1着があると秋コーデが捗るんです
撥水性のあるポリエステルを採用したMANOLO。ボディもアームも細身に作られており、またネイビーのワントーンとあって、カジュアルだけでなくモードにも着られます。胸にはジップポケットが追加され、さりげないアクセントに。これぞ大人のM-65における好例です。
AUBERGE × Brilla per il gusto / オーベルジュ × ブリッラ ペル イル グスト
ヴィンテージでは高値確実な通好み仕様
古着界では希少性の高い最初期モデル。1年間しか製造されなかったマニアックなディテールを再現しつつ、生地も厚みのあるコットン生地でマニア好みな仕上がりになっています。一方でミリタリー感が強まるエポーレットがないので、意外にすっきりとまとまりますよ。
K-3B / ケー スリー ビー
ミリタリーでモード、その懐深さに感服
ナイロンにストレッチ素材のポリウレタンを23%もブレンドすることで、ノンストレスな着心地に仕上げたこちら。それでいてマットな風合い、そしてディテールをミニマルにデザインすることで、スマートでスタイリッシュな着姿を楽しませます。透湿防水効果のあるラミネーション加工を施しており、防水性と蒸れにくさを兼ね備えた実用的な要素も魅力。
EMMETI / エンメティ
こんな上質スエードで作れば一気に高級顔に
干場編集長とのコラボとなる、アッカシリーズからの1着。ゴートスエード製で、繊細な起毛感が本来ミリタリーと思えない実にラグジュアリーな印象に。シルエットも細身でエポーレットも排除。本来の機能的なディテールを踏襲しながらも、各所でモダナイズがされています。
◇EMMETI 【干場別注】H M65 アッカ フィールド ジャケット
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
【問い合わせ】
トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567
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