【後編】イベント会社絡みの美人局で慰謝料を請求。「既婚者同士の出会いの場」に潜む、巧妙すぎる罠。

「これは共通の友人から聞いたことですが、信吾はルックスの良さを武器に不倫をくりかえし、そのたび、奥さんと離婚話で揉めていたようです。今回のことで彼が改心し、不倫体質が治るといいのですが」

伏せ目がちに語る洋平さんだが、思い出したように視線を上げた。

「以前、とあるキャバクラに風俗嬢が派遣されている、と聞いたことがあります。風俗嬢がキャバ嬢を装って接客するんですが、男性客のスケベ心を刺激して、まずはトークやボディタッチで楽しませる。そのうち男性客の耳元で『実は○○さんて、私のタイプなんです』と囁く。

そして、男性が口説いてきたところで、『誰にも言わないと約束してくれたら』と言って、男女関係になるんです。」

男性客は、女性に見染められ、口説き落としたことで、大いに自尊心が満たされるのだろう。