「息子には、孫も大きくなって好みが出てきているんだから、身につけるものは何でもいいってわけじゃないんだ、とも言われましたね。それから、自転車講習会に誘われました」
このとき、和子は長男から、以前の事故は和子にも原因があったと伝えられた。自転車は基本的に左側通行だが、当時、和子は右側を走っていたのだ。
同時に、ベルを鳴らすことも良くないと指摘された。和子は、歩行者にぶつからないための工夫としてベルを鳴らしていたが、やむを得ない場合を除いて鳴らすべきではないと、長男に教えられた。
和子は驚きを隠せなかった。長男が話す自転車ルールは、和子の知っているそれとはまるで違っていたからだ。
「話が全然飲み込めませんでした。努力義務より前から、ヘルメットをちゃんと被っていましたし、私、ルールにはかなり厳しいタイプなんです」
しかし、その後参加した自転車講習会で、和子は自らの勘違いに気づくことになった。
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