その画面に写っていたのは、胸元が開いたピチピチのTシャツに短いスカートを履き、体をくねらせている女たちの写真だった。
©︎gettyimages
みー。ゆりにゃ。まき。メアリー。
名前もそれぞれで、大半が顔は全て露出していなく、口元から下のみ写されていたり、目元か口元にモザイクが入っていた。
学生時代に友人たちとふざけて検索した、風俗のページと何ら変わらなかった。
「俺もさあ、メンズエステなんてものがあるなんて知らなかったよ。先週先輩と飲んだ時に教えてもらってさ、マンションの一室に女の子と二人きりでさあ、紙ショーツ一枚でマッサージされるんだとさ。本当はダメだけどお客さんによっては変な気起こして、マッサージ以外のことも頼んでくるらしいよ。手とか口とか。本番とかさ。お金欲しさに承諾しちゃう女の子も多いらしいけどね……」
アキラは一瞬で頭が真っ白になった。話が飲み込めない。
「奥さんのって、まさかこっちのエステじゃないよな? お前、ちょっと世間慣れしていないところあるから、気づいてやれてないんじゃないのか?」
「ごめん。ちょっとあいつに電話してくる」
急ぎ足で会社の外へ出る。早く千夏を救わなければ。エステという言葉にダマされているのかもしれない。
祈るような気持ちで電話をかけたアキラの耳に聞こえてきたのは、「おかけになった電話番号は、電波のない場所か....」という留守番電話のお決まりのアナウンスだった。
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Text:FORZA STYLE
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