FASHION 僕が捨てなかった服

【ラルフローレンのシャツを手掛けた!】MADE IN USAのシャツ専業メーカー、アイクベーハー

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

買ったシャツは1枚も捨てることなく、お直しもしてすべて残してあります!

2020年に20周年を迎えたディストリクト ユナイテッドアローズのオープンから店頭に立ち続ける顔的な存在で、ブログやコラムにてマニアックで役に立つ、素敵な話題を提供してくれる森山真司さん。

基本的に服を捨てることはなく、自宅のクローゼットや収納には収まり切れないくらいの服を所有する森山さんが、なかでも思い入れが強くて捨てられない服をご紹介する企画の第1回目は、アイク ベーハー(IKE BEHAR)のシャツです。

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アイク ベーハーのシャツを初めて買ったのは、おそらく1989年。以前勤めていた会社が、アメカジとかトラッドなものを得意とするお店だったんですが、そこの先輩方に勧められたのがきっかけです。

当時ラルフ ローレンのファクトリーとしてシャツを生産していたとか、映画『コットンクラブ』でリチャード・ギアが着ていたとか、そういう情報をいろいろ教えて頂いて試したんですが、シャツメーカーであることを意識して購入した最初のブランドだったような気がします。

あの頃はブルックス ブラザーズ派とアイク ベーハー派に分かれていたんですが、トータルで揃うブルックス ブラザーズよりは、"餅は餅屋"じゃないですけど、シャツを専業で扱うアイク ベーハーに惹かれました。

脇の巻き縫いが極端に細かったり、スプリットヨークの背中やら、ダイヤモンドキルトステッチやら魅力はたくさんあるんですが、アメリカっぽい色・柄のシャツを作っているのに、襟が大きくなくてアイビーとかトラッドの方向に寄りすぎてもなく、都会的な雰囲気もあって ちょうど良かった。着始めてからはもう、見つけたら買うような状況でしたね。

14ハーフとか Sサイズとかって滅多になかったですし、インターネットもない時代でしたから足で探して。知人などの「あそこでアイク(ベーハー)売ってた」なんて情報を元に向かって、自分に合うサイズを買い集めてきました。

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今回はチェックだけを持ってきましたが、オックスの白とか無地とかもたくさん持っていて、襟が破けてしまったものはコーダ洋服工房さんに修理をお願いして、襟を外して裏返して付け直して貰ったりもしています。

なので、いままで12〜3枚買ったシャツは、すべて捨てることなく残っていますね。

イタリアのルイジ・ボレッリとかクラシコイタリアの手縫いブームがやってきて、あまり買わなくなり、袖を通さない時期もありましたが…、5年くらい前にトムブラウンの影響でシャツがぎゅんぎゅんタイトになってしまった頃は、あえて引っ張り出して着てみたりして、いまもたまに着ています。

いまって探しても、こういうインドマドラスのシャツって なかなか見つからないですし、作ろうにも生地もないようです。そういう資料的な側面から見ても捨てることはないので、ずっと手元に残っていくのではないでしょうか。

Photo:Shimpei Suzuki(Item)

Edit:Ryutaro Yanaka

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「ディストリクト ユナイテッドアローズ」セールスマスター
森山 真司さん

ファッション業界で30年に及ぶキャリアを誇り、ディストリクト ユナイテッドアローズにおいては2000年の立ち上げ時より在籍する名物スタッフ。『スター・ウォーズ』をこよなく愛する、“自称ジェダイ”は、服・革靴など莫大な量を所有。1968年生まれ。



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