WATCH ― ロック福田の時計NEWS

日本時計界のキーマン、飛田直哉氏の時計「NH TYPE 1B」がデビュー

2019.5.7 2019.5.7
2019.5.7

3月の初めに、まったく新しい日本の時計がデビューしました。時計の名前は「NH TYPE 1B」。飛田直哉(ひだなおや)氏が昨年創設したブランド「NH WATCH」の第1作です。

飛田さんは、時計の世界では知らない者のない、日本の時計界で随一のキーマン。1990年からさまざまな時計ブランドのセールスやマーケティングを担当し、たとえばブレゲやヴァシュロン・コンスタンタンといった名門がまだ「ジャパン」になる以前にその魅力を伝えるなど、日本の時計文化に大きく寄与してきた功労者。F.P.ジュルヌとラルフ ローレン ウォッチ アンド ジュエリーの日本の代表を務めたのも大きな功績です。

そうして2018年に長年の夢であった「自分の時計」をつくるためにNH WATCH 株式会社を設立。同社は高級時計全般に関するトレーニングやコンサルティングも手がけており、そのひとつに古巣のラルフ ローレン ウォッチ アンド ジュエリーが属していたリシュモングループからの業務委託があるのは特筆すべきこと。なによりの、飛田さんの誠実な人柄の表れでしょう。


発表会が開催されたのは土曜の、つまりは休業日。しかし次々と関係者が訪れ会場は大盛況。これも飛田さんの人柄の表れです。

さて。という飛田さんが夢を叶えたNH TYPE 1Bには、当然、飛田さんの美学が貫かれている。そこが大きな見どころです。


理想としたのは1930~50年代のヴィンテージウォッチのデザイン。カーブした風防もヴィンテージな雰囲気。手巻きの巻き心地をよりよくするためリュウズは大きめに設計されている。

まず、ケースサイズをほどよく小振りの37mm径に設定。そしてそれに合わせ「ムーブメントをケースいっぱいの大きさになる30mm径とした」というのが時計好きなら膝を打つところ。そう、ムーブメントがケースのギリギリにまで入っているのが、時計好きにはうれしいのですよね。

「スモールセコンドが中央に寄りすぎないようにした」というのも素晴らしいこだわり。インダイヤルが寄っているのは、どこかバランスが悪いですからね。

で、その結果、選ばれたムーブメントがクロノグラフの名作「ETAヴァルジュー7750」というのが驚き。「30mm径で9時位置にスモセコのあるムーブメントはほかにはなかった」とのことで、そのクロノグラフと自動巻き機構を外して手巻きに変更しているのです。

ではいったい、どうしてそんな奇策を思いついたかというと「かつてパテック フィリップとオーデマ ピゲがヴァルジューのクロノ部分を外してクロノメーターをつくっていたのを思い出したため」だそうで、そういうところがまさに時計の歴史や技術に精通した飛田さんならでは。また、手巻きの際の巻き心地にこだわり、コハゼ機構を新設計しているのも注目点です。

そして飛田さんが「どうしても使いたかった」という大きなこだわりどころが、ケース素材の904Lステンレススティール。海底油田のパイプなどに使用される耐腐食性に優れたステンレスで、時計界ではロレックスの使用で知られています。しかし硬度が高く加工が極めて困難。そのためケース製造が可能の工場が見つからず、かなり苦労したといいます。

ところが世界最高レベルの精密機械製造会社である碌々産業株式会社(ろくろくさんぎょう)と出会い、同社のミクロン単位の高精度の切削技術により遂に実現。こうした優れたパートナーとの「縁」を引き寄せるのも、飛田さんの人柄の故なのでしょう。


ダイヤルは洋銀製で通常の約2倍の厚さを使用。熟練の職人により手彫りでブレゲ数字のインデックスが入れられている。また、洋銀製ダイヤルはあえてコーティングを施さず、経年変化を楽しめるようにしているのも魅力。ブルースチールにされたリーフ針の美しい青の発色が見事。分針がダイヤル外周の目盛りと会うよう先を曲げられているのも注目点だ。12時位置には碌々産業の超高精度技術により飛田さんのネームと、さらに「TOKYO」の文字が誇らしげに刻まれている。

ほかにも、洋銀=ジャーマンシルバーのダイヤル。手彫りのブレゲ数字インデックス。手焼きのブルースチール針。手縫いのレザーストラップ。などなどと、こだわりと見どころがいっぱい。

価格は180万円。今年は9本を生産して、そのうちの7本を販売。いずれは年間100本前後を生産することを目標としているそう。

とにかく時計好きなら、一度じっくり見て下さい。きっと欲しくなっちゃいますから。

飛田直哉(ひだなおや)
1990年より複数の外資系専門商社においてセールスやマーケティングを担当。F.P.ジュルヌやラルフ ローレン ウォッチの日本法人の代表を務め2018年にNH WATCHを設立。高額時計の豊富な販売経験を基にした販売員対象のトレーナーとしても活躍している。

NH TYPE 1B


手巻き、904Lステンレススティールケース、ケース径37mm、カーフストラップ、5気圧防水。180万円

■問い合わせ先:
NH WATCH 株式会社
http://naoyahidawatch.com

Text:Yutaka Fukuda

Author profile

福田 豊
福田 豊
Fukuda Yutaka

ライター、編集者。1959年東京生まれ。もともとは建築家であったが、ひょんなことから,出版界に移籍。

『エスクァイア日本版』広告営業、編集部の後、いまの稼業へ。『LEON』『MADURO』『ENGINE』『GQ』などの雑誌やwebで、ライフスタイル全般について執筆。Rockと猫が好き。
趣味は「除湿」と「靴磨き」。Instagram:fukuda1959でRock Tシャツの紹介などしてます。ブログ「今日も明日もロックンロール!」を執筆。

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