CAR ― COLUMN

【マセラティの究極SUV×修善寺の超高級旅館あさば】
悶絶&気絶ツアーに行ったらどうなった?

2018.11.27 2018.11.27
2018.11.27

「いつまでも、夢見る童貞じゃいられない」

2018年11月某日朝、僕は伊豆・修善寺の名宿「あさば」の一室、藤で目覚めた。この宿は、元々は修善寺の宿坊としてはじまり、開業から350年を数える一泊一名9万円という超高級旅館だ。部屋の目の前には大きな池が広がり、その対岸には能の舞台がある。野村萬斎はじめ、名立たる能楽師がこの舞台に定期的に立つという。

まずは朝風呂だ。浴衣を脱ぎ、源泉かけ流しの湯をたっぷりと張った部屋のヒノキ風呂にどぼんと浸かる。と冒頭の言葉がアタマに浮かんだ。「夢見る童貞じゃいられない」。

時代はコスパ至上主義。早くて安くて、なスロウならぬファストなライフが堅実とされる時代。妻と二人の子を持つ僕もここ数年そんな時代に飲まれている。しかし、損はしないかもしれないけれど、果たしてそこに気絶はあるのだろうか、と湯煙を見つめながら物思いにふける。嗚呼、気絶するように暮らしたい……チャポ~ン。

前日、僕はマセラティのSUV、レヴァンテの最上グレードであるトロフェオとGTSのステアリングを握り、小田原~箱根~修善寺を駆け抜けた。3.8リッターV8エンジン、それはスーパーカー並みの590psと550psを放つシロモノで、燃費ばかりを気にして味気ない国産ハイブリッドカーがコンビニのサラダだとしたら、こちらは肉汁したたる表参道よろにくのシャトーブリアン大盛りだ。食わずに死ねるか!

クルマはファッションや時計同様、オーナーの人柄を言葉なくとも語る名刺のような存在。そもそもクルマなんていらない、という人は名刺を配るチャンスを失している。マセラティはエレガンスとスポーツをほどよくブレンドした自動車だから、乗っている人もそういう人だと思わせる。しかも、SUVっていうのは、とにかく何でもいいからクルマが必要だ、という人のためのものではない。カシミアのM−65や上質コットンのコーデュロイのようなもの。実用的にしてお洒落。

あさば前にて著者、万悦の影。ベレー帽は銀座トラヤ、スーツはサンタニエッロ、シャツはブルックス ブラザーズ、肩掛けニットはジョン スメドレー、メガネはタート オプティカル、シューズはトッズにて。

世にはプレミアムなSUVがあまたある。馴染みなところでポルシェ・カイエン、レンジローバー、ゲレンデヴァーゲン、BMW X5。最近だとロールスロイスからカリナンやベントレー・ベンテイガ、ランボルギーニ・ウルスなんていう雲上モノも出た。そんななかマセラティのレヴァンテ・トロフェオ、GTSを選ぶ理由はどこにあるのだろうか--。

無難な前車4台ではない選びの妙。センスがありつつ、後車3台に匹敵するスーパーカー性を僕は挙げたい。これまでレヴァンテにはV6エンジンしかなく、後車とは肩を並べられなかった。が、今回日本で販売が開始されたトロフェオとGTSにはV8エンジンが積まれる。しかもそのエンジンはフェラーリで作られているのだから、エヘンである。トロフェオのヘッドカバーはテスタロッサで、エヘンエヘン(イタリア語で赤い頭の意。往年のフェラーリ・テスタロッサの名もそこに由来する)。

絶賛紅葉中の箱根の山道をレヴァンテで走る。運転中に気絶するのは危険度MAXだから我慢したが、悶絶は避けられない。V8にツインターボを付与されたエンジンが迫力ある排気音をたてながらシュンシュンと回る。ドライビングモードをノーマルからスポーツ、さらにトロフェオのみにあるサーキット走行に適したコルサへ変える。すると、バイパスバルブが全開となり、排ガスフローが加速する。結果、レーシングカーを運転しているかのような排気音が。子供のころ、ブランコを全力で漕いだ時のように下腹部がキュンキュン。気持ちヨカ〜となぜか訛ってしまう。結構なペースで走っているのに、乗り心地もいい。スポーティにして快適。これからの季節、四駆なのも安心だ。

内装もラグジュアリーにしてエレガント、というかエッチ。でも上品。そのさじ加減たるや!である。しっとりなめされたレザーのシート、インパネまわりはさすがイタリアンメイドと思わせる出来栄えで、フェンディの革バッグに囲まれている気分。ステッチを眺めているだけで、嗚呼、気絶。

能書きはもういらない。

妻でも恋人でも子供でも友人でも親戚でも、僕の半径5メートル以内をキュンキュンと気絶させられるようなスペシャルな暮らしを送りたい。身も心も童貞でいいのならば他人の目など気にせず暮らせばいい。しかし、フォルツァな僕はそんな操を守れるほど無邪気じゃない。V8レヴァンテを駆り、あさばへパートナーとともに夢見るではなく、実行しなくちゃ男がスタる。予約ボタンをポチ。美人女将、浅羽弥佐さんが僕たちを待っている!

左●マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ
全長5020×全幅1981×全高1698㎜ ホイールベース3004㎜ 車両重量2170kg エンジンV型8気筒ツインターボ 排気量3799cc 最高出力590ps/6250rpm 最大トルク730Nm/2500~5000rpm 0-100km/h加速3.9秒 最高速度304km/h ギヤボックスZF製8段AT サスペンション前ダブルウィッシュボーン+エアスプリング/後マルチリンク+エアスプリング 価格1990万円(税込)

右●マセラティ・レヴァンテGTS
全長5020×全幅1968×全高1698㎜ ホイールベース3004㎜ 車両重量2170kg エンジンV型8気筒ツインターボ 排気量3799cc 最高出力550ps/6250rpm 最大トルク730Nm/2500~5000rpm 最高速度292km/h ギヤボックスZF製8段AT サスペンション前ダブルウィッシュボーン+エアスプリング/後マルチリンク+エアスプリング 価格1800万円(税込)

Text:Takashi Ogiyama

【問い合わせ】
マセラティ コールセンター
0120-965-120
https://www.maserati.com/maserati/jp/ja/models/levante

Author profile

荻山 尚
荻山 尚
Ogiyama Takashi

青山学院大学卒業後、商社に勤める。その後、雑誌編集の道を目指し、20代はCar Ex、カーマガジンなど自動車雑誌に在籍。30代はセンス編集長、レオン副編集長をはじめ数々の男性ファッション誌のエディターを歴任。ファッション、クルマ、時計、食、旅、そして家族が大好きな1972年東京生まれ。

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