古着屋で迷った時の答えは酒に聞け
俺が愛してやまない高円寺は古着屋と昭和酒場の街だ。ビンテージを探し、予期せぬ出会いの一着が本当に必要か酒場で俺と俺とが闘う。このブルックスブラザーズのツイードジャケットは80年代のビンテージで数年前に高円寺で見つけたもの。当時のMADE IN USAで、状態の良いものは手に入れるのが難しい。
そんな高円寺の古着屋巡り「アニ散歩 THE MOVIE 」でセンベロの立呑み屋へ向かった。
古着屋が多いエリアとは反対の商店街で一度リセットするべし。買い物に迷った時は、一休さんのように「一休み一休み、慌てない、慌てない」ってこと。
「晩杯屋 高円寺純情店」は昼の3時から立吞みできる高円寺では貴重な酒場だ。土日祝は1時から飲めるので軽くひっかけてから古着屋巡りするのも悪くない。ただし長居して飲みすぎるのは、自分を見失うのでサラッとマックス45分くらいが丁度いい。
ほとんどのつまみが100円台から300円以内で強烈に安く一人飲みパラダイスだ。
立呑みだと常連ばかりで敷居が高いイメージがあるが、ここは女性一人でも楽しめるお気軽なチェーン店。手書きのメニューも雰囲気がある。
おしぼり70円って安いのか高いのか気になって仕方ない。
さてと、古着屋で試着したジャケットかコート、どっちを買うべきか?まずはホッピーでハッピーな気分になり考えてみよう。ジョッキに入れられた焼酎。これを中と呼ぶ。
中にホッピーを注ぐ。ホッピー単体は外と呼ぶのだ。
炭酸が抜けすぎないように優しく混ぜて出来上がり。中と外をホッピーセットと呼ぶ。
マドラーはホッピーの瓶を傷つけないように注意してそっと瓶に入れておく。
ホッピーハッピー!酒の濃さを自分でカスタマイズできちゃうから自分のペースで酔えるって事。濃くしたければ中を追加して、薄くしたければ外を足せばいい。氷を入れるのは邪道とされているが、好きな飲み方で楽しければそれでいいのだ。
煮込み玉子入り150円!安すぎる!一人飲みにはジャストサイズでクオリティも抜群。いやあ~相変わらずウマいぞ。
おでん180円!最高っしょこれ。あったまるなあ~。
ホッピーでハッピーな気分になってきたぞ。もうこれはジャケットとコートの両方買っちゃおうかなあ~。
レバホルモン150円!このボリュームでこの価格!食べた瞬間にマジウマ気絶・・・・バンパイヤ昇天!あれ?これどこかで食べたことがあると思い、暖簾にあった「赤羽いこい系」という文字が俺の中でクロスオーバーした。
「晩杯屋」は2009年に武蔵小山で誕生し、今や39店舗に急成長した。運営会社のアクティブソースは昨年、丸亀製麺などを展開するトリドールHDに買収されグループ化されたのだ。
この快進撃はムサコドリームと言われている。アクティブソースの金子代表は「晩杯屋」を始める前に赤羽の立呑み名店「いこい」で修行し、さらに青果市場と水産関係の仕事で仕入れのノウハウを学んでいた。このレバホルモンは「いこい」の名物でもある。
立呑み文化が低価格のチェーン展開により、さらに多くの人が気軽に楽しめるって、素晴らしすぎるぞ。ぜひこの日本文化を世界進出させて欲しいものだ。
ホッピーセット2杯にビールも飲んでしまったので1,000円を超えてしまったが、このうまさでこの安さは、さすが「晩杯屋」だ。さてとやはり古着は一期一会。心に決めた!結局、毎回買ってないだろうって?その答えは取材拒否店の古着屋BのオーナーIだけが知っているのだ。
ブルックスブラザーズのツイードジャケット。80年代のビンテージで奇跡のジャストサイズ。MADE IN USAで古き良き風合いのツイードとNO1サックモデルは永遠の逸品。大きめのヘリンボーン柄と絶妙なグレーがなんとも言えないオーラを放っている。
Text:Eiji Katano
Photo:Naoto Otsubo
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今回のアニキおすすめの店
「晩杯屋 高円寺純情店」
東京都杉並区高円寺北3-23-11
03-5364-9195
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13193778/
営業時間
月~金15:00~23:30
土・日・祝13:00~23:30
定休日 無休
プロフィール
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない49歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島とイタリア。プロレスに行くと、なぜかマスクをかぶって観戦したくなってしまう。