まるでオーダーメイドであるかのような着心地に驚愕
これは今年6月のイタリア出張の際、ミラノのスピーガ通りにあるFay(フェイ)の路面店で購入した一着です。メンズのファッションウィーク中に、このブティックで2017年秋に発売する新作コートのプレゼンテーションがあり、その動画撮影を兼ねての訪問だったのですが、取材前に店内を見ているうちに物欲がむくむくと沸いてきてしまい、気がつくとレジに並んでいました(苦笑)。だって羽織ってみたらジャストサイズだったうえ、すごくカッコよく見えてしまったんですよね。
ネイビージャケットだけで数十着もっているのはわかっているのですが、このタイプはクローゼットにない(はず)だと。それに取材先のブランドの洋服を着ていたほうが、相手も気持ちよく話しやすいかなと思いまして……。
実際、試着してみると、まるで自分の体に合わせてオーダーメイドしたかのようなフィット感なんですよね。素材は、ストレッチが効いたジャージーのため、めちゃくちゃ着やすくて、暑いときはバッグにくるっと丸めて入れておいても、シワが気になりません。だから長旅向きで、出張向き。
ラペルを立ち上げると上襟の裏に“Fay”の文字が……。しかも、そこの生地がグレーフランネルなんですよね。ネイビーにグレーだなんて、どちらも僕の大好物だし、本当にセンスがいいですよねぇ。さらに、ジャケットの裏地には赤いパイピングが施されていたりと、細かいところまでいちいち気が利いているんですよ。さすがは、ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん率いるトッズ・グループのブランド、と妙に感心してしまいます。
もともとフェイは、消防士の制服をヒントに、耐久性と信頼性を重視する作業着のデザイン哲学を取り入れて、アメリカでスタートしたブランド。それをディエゴさんが気に入って傘下に収めた経緯があります。だから、ちょっとアメリカ文化の匂いがあるんでしょうね。このネイビージャケットにも、そんなアメリカ的な合理性を感じます。2ボタン仕様で、クラシックを基本としていながら、全体の雰囲気はモダン。
ミラノではこれにネイビーのTシャツを着て、白のショートパンツ、白スニーカーで過ごしました。そうすると、みんなが“そのジャケットはどこのブランドだ?”と聞いてくるんですよ。鼻高々でした。ちなみに、フェイのファイヤーマンコートは、1980年代に流行した“パニナリ族”の必需品とされたアイテム。洗練度をアップさせた、イタリア版アメカジによく効くブランドでもあるんです。
そうそう!大事なことを忘れるところでした。
【応募者殺到に感謝感激気絶! Fayトークイベントのお知らせ】
2017年10月7日(土)、日本橋高島屋の6階でトークショーを行います。テーマは「イタリア人たちがこぞって愛用しているブランド、FAY(フェイ)の着こなし方と秋冬のお洒落テクについて」です。時間は14時と16時の2回。入場は無料です。抽選で各回15名様をご招待いたします。お時間がありましたらぜひいらしてくださいね。観覧ご希望の方は10月1日(日)までに下記応募先URLのお申込みフォームにご記入の上お申し込みください。約1分ほどで終わる、簡単なアンケートです→https://goo.gl/x8HFp2
【問い合わせ】
サン・フレール
03-3265-0251
http://www.sannfreres.co.jp
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE
エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。