フルーツが救世主、
肉ではないのだ
ワインはデートに欠かせないし、チェリーといえば童貞を指す。たびたび性愛の文脈で登場するこんな食材たちに、最先端の医学研究が「お墨付き」を与えようとしている。
特定の成分を多く含む食材が「勃起不全のリスクを低減する」という最新のレポートが、アメリカの医学誌「The American Journal of Clinical Nutrition」に掲載された。約25000人の中高年を対象にした臨床実験を行ったのは、ハーバード大学とイギリスのイーストアングリア大学(UEA)の研究者たちだ。
ブルーベリーとサクランボ、それから…
UEA所属の研究メンバーであり、英国王立科学会のフェローでもあるAedin Cassidy氏は、「糖尿病や心血管疾患にフラボノイドが効くことは知られていましたが、EDのリスクを下げることは新たな発見です」と語っている。
25000人のミドルエイジを10年以上にわたって調査した結果、抗酸化物質、アントシアニンやフラボノイドなどを多く含む食材を食生活に取り入れた人たちは、そうでない人たちに比べてEDのリスクが14%も低下した。さあ、メモの準備はいいだろうか? アントシアニンを多く含むのは、ブルーベリーやサクランボ、ブラックベリー、ラディッシュやカシスだ。ポリフェノールは赤ワインにも多く含まれることが知られている。
ラディッシュの束。いわれてみれば、たくましいデザインだ
同研究では、フラボノイドやポリフェノールを多く含む食生活は、「週に5時間のウォーキングと同じぐらいEDに効果がある」とも示唆している。忙しいビジネスマンは、5時間の早歩きより、サクランボをかじりながら赤ワインを飲もう。翌朝には違いを実感できるかもしれない。飲みすぎなければの話だが。
Text:Yoshihide Kurihara
Photo:getty images
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