通常の3倍の時間をかける
2分の1の薄さに仕上げた脅威のフレーム作り
『FORZA STYLE』でもお馴染み、ロサンゼルスのアイウエアブランド「DITA(ディータ)」。ブランド設立20周年を記念し、12月3日(木)に青山のTWO ROOMS グリル&バーでレセプションパーティが行なわれました。約4年ぶりにDITAの共同創業者兼デザイナージョン・ジュ二パー=ディータも来日し、会場も大盛り上がり! そんな中、小誌編集長の干場が似合うサングラスの選び方を教えてもらうために、ジョンさんを突撃インタビューしました。
干場:ジョンさん、DITAのブランド設立20週年おめでとうございます!
ジョンさん:ありがとうございます。こんな素晴らしいレセプションパーティが、開催できて最高に嬉しいよ。
干場:実はジョンさんにお願いがありまして……。メガネとサングラス、どちらでも良いんですが、僕に似合うものを選んでもらえますか?
ジョンさん:OK! いいよ。これなんかどうかな~。 今年の新作で、代表的なフレームなんだけど、凄く似合うと思うよ!(ササッと選ぶ)
干場:選ぶの早いですね(笑)。ちなみに、どんなことを基準に選んでるんですか?
ジョンさん:主には、全体的なスタイルを見て選んでるんだけど……。クラシックなジャケットスタイルだから、そこまで派手なのを選ばないようにしたんだ。その人を見てのインスピレーション、つまり全体的なコーディネートに合うことが一番重要なんだ。
干場:顔の形とかは、関係無いんですか? 僕は、ジョンさんみたいに外国人じゃないから鼻だって低いし、彫りが浅いし……。顔がかっこ良くないから、何でも似合うわけじゃないと思うんですけど……(笑)
ジョンさん:いやいや、ミスター干場は全然OKだよ。顔がオーバル(縦長の丸)の形だから何でも似合うさ。オーバルだと顔の形に関係なく、いろいろとマッチする。今日はドレスアップしていて、クラシックなスタイルをしていたから、スタイリッシュなメタルフレームを選んだのです。
干場:オーバルの形なら、何でも似合うんですね~。ちなみに……。もし、Tシャツにジーンズみたいな普段着のスタイルだったら、どれが良いですか?
ジョンさん:カジュアル系のコーディネートなら……。(サササッと選ぶ)日本で凄く人気のこのモデルなんかどうだろ?
干場:お~! 確かにこれだと、カジュアルにマッチしますね。ただ、日本人って、多くの人が、目と眉毛が離れているじゃないですか? そうした眉毛の位置関係や、眉毛の形で選ぶ基準が変わったりはしないんですか?
ジョンさん:僕のスタイリングは、あまり眉毛の形や位置とかは関係ないんですよ。気になるなら、眉毛が隠れるくらい大きめのフレームを選ぶと良いと思います。これなんかどうですか? 眉毛も隠れるし、ジーンズにTシャツの格好にもバッチリ!
干場:これは凄い迫力ありますね~。ちょっとミュージシャンみたいじゃないですか?
ジョンさん:これはアメリカの歌手のアッシャーさんが、着用してくださって爆発的に日本でも人気になった“クリエイター”っていうモデルです。廃盤になったんですが、凄く問い合わせが多くて、復活させたんですよ。かなりインパクトありますけど、アクセサリーの感覚としては、最高にクールなデザインだと思います。
干場:へ~! アッシャーって聞くと、確かに個性的だしこれは似合いそうですよね。しかも“クリエイター”っていうネーミングが良い! さっき、“スキャンダル”っていうモデルもあったんですけど、それもネーミングに惹かれて試着しました(笑)。
ジョンさん:そうなんですよ、DITAのモデルにはそれぞれにイメージされたネーミングが付けられていているんです。
干場:ジョンさんは、ファッションも凄く格好良いですよね~。何かこだわりがあったりしますか?
ジョンさん:僕は、ふだんヴィンテージをよく着てます。Tシャツにジーンズにブーツスタイルが基本スタイル。 ダンヒルとかヴィンテージも凄く好きですね。いずれにしても、ちょっと味わいのあるヴィンテージテイストが好きなのさ。
干場:意外ですね。 それは、どこかに探しに行って買ってくるんですか?
ジョンさん:昔は好きで、よくいろいろな店を回って探してましたけど……。最近は、偶然出会ったものを縁を感じて、買うようにしています。ヴィンテージウェアからインスパイアされて、デザインのヒントになることもありますしね。
干場:ちなみに、今日のジョンさんの格好なら、どんなサングラスを選びますか?
ジョンさん:今日は、普段まったくしないドレスアップした格好だからピンとこないけど……。かけるなら、これとかかな?
干場:うわ、超かっこいい! やっぱり、自分の似合うものを熟知していますね~。 ちなみに、今サングラスやメガネのトレンドってどんなものですか?
ジョンさん:トラディショナルで、クラシックなモデルが今のトレンドですね。DITAは、そのクラシックなデザインな中にも、細かいディティールを加えてオリジナル性を出しているんですよ。
干場:例えばどんな?
ジョンさん:このフレームを見て欲しいんですけど……。ブリッジの所をダイヤモンドカットにしたり、フレームを通常の半分の薄さに仕上げていたり、パッと見では、気が付かないような細かいディテールにこだわっています。これを作るのには、通常のフレームを作るよりも3倍の時間がかかるんです。ひとつのフレーム作成には、100人もの職人や技工士が320もの行程を経ることもあるんですよ。
干場: 3倍も!? それは、かなりの手間ですね……。だいたいフレーム作るのにどれくらいの時間がかかっているんですか?
ジョンさん:通常(おおよそ)8カ月です。気の遠くなるような作業数と時間ですが、こうした細かいこだわりが、クラシックに“ひねり”を加えられ、唯一無二の作品になるんですよ。
干場:なるほど……。DITAの作品づくりの本質がよくわかりました。これからも、『FORZA STYLE』でDITAを注目し続けますね! 今日はありがとうございました。
Photo,Text:Satoshi Nakamoto
John Juniper (ジョン・ジュニパー)
写真、映画製作、デザインに情熱を傾け、“アイウェアこそが記憶に残る優れたアクササリー”であると思い至り、1995年ロサンゼルスにて友人のJeff Solorio(ジェフ・ソロリオ)と共にDITAを設立。現在20周年を迎えたDITAのデザイナーとして活躍中。
【問い合わせ】
STEP inc.
03-5774-4551
https://dita.com/