また、最近のクルマは通信機能(OTA)があり、様々なデータの更新で常に電力を消費します。この時の電力使用量が馬鹿になりません。完全に電源OFFでも走行中の車両データなどフィードバックを行います
つまり、ちょっとクルマから荷物を出してロックするのを忘れたりすると(洗車中なども含みます)、かなり電力を消費します。また、ロックしてシステムを完全シャットダウンしてもPCの電源が瞬時に落ちないのと同様、レジストリ(データ)の保存(バックアップ)を行うので、完全に電源が落ちるまで数分を要しこの間も大きく電力を消費します。
日々クルマをしっかり走らせることができれば、電力低下に応じクルマが12Vバッテリーを充電してくれます。しかし、週末ドライブだけとか、ご近所へのちょい乗りなど、悪条件が重なるとクルマは12Vバッテリーへの充電を最優先するために、燃費自慢の電動化モデルでも燃費が悪化。人に例えると体調不良でスポーツするのと同様、その実力を発揮できないのです。
最先端の安全運転支援装備の数々も電力低下中は100%の実力を発揮できません。カメラを通じた画像認識(顔認証などセキュリティ機能を含む)、ーダーやレーザーなど各種のセンサー類もパフォーマンスが低下
最新モデルは電子機器のカタマリです。制御系の電源をつかさどる12Vバッテリーも進化していますが、走行条件や日頃の習慣が影響し正常値まで充電が行えないことが多いのです。電力低下でドアが開かない……なんて事例もありますので、点検・整備時はタイヤの空気圧同様に必ず「バッテリーのチェックお願いします!」の一言を添えてください。それが安全と経済性に繋がります。
今回取り上げた様々な事例を指摘するYouTubeチャンネルもいくつかあります。皆さんも一度検索してみてください。具体的でとても役立つと思います。
Text:Seiichi Norishige