「出産後に助産師さんや看護師さんから、赤ちゃんは大泣きするけど、泣き出したらママはまず自分の心を落ち着けようね、と凄く言われていたんです。想像を絶するギャン泣きに心が折れて、反射的に揺さぶるなどの虐待をしたり、ママが育児うつになったりするのを予防しようとして、あんなにしつこく助言してたんだなって改めて思います」
あかねさんは、娘が泣き出すといつも暗い気持ちになり、いつからか「また始まった」と怒りにも似た感情を覚えるようになったという。
「黄昏泣きの現場は予想以上に壮絶で、そうなっちゃった時の新生児の親は誰でもみんな普通の精神状態じゃなくなると思う。最初はおろおろしたり、どこか体調が悪いのかなって心配して受診したり、それなりの対応をしていました。でも、病院でも”赤ちゃんは理由のわからないギャン泣きをするものだ”と言われてしまい、なす術がないんだと知ると一気につらくなりましたね」
おっぱいを与えても抱き上げて背中を撫でても、”泣き”の勢いは増すばかり。育児書にも回答はなかった。
©Getty Images
判で押したように「まずはその場を離れてママが気持ちを落ち着けましょう」「ゆりかごなどで優しく揺らしてみましょう」「ホワイトノイズを聞かせてみましょう」といった助言が並ぶ。
「アドバイスは片っ端から試して、自分でも思いつく限りのことをしました。でもダメなんです。一度泣き出すと、たまに緩むこともあるけど、ぶっ通しで2時間くらい泣くこともあって、とにかく凄く大きな声で泣き続けるので、怖くなるしつらくなってしまいます」
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