その1軒の家の子どもは小学3年生。引っ越してきた3年前はちょうど入学した年で、ほとんど強制的に子供会に入ったという。子供の年が離れているとなかなか話をする機会もない。子供会入会は初耳だった。
「夫に報告すると、『まあ近所づき合いも大事だし、仕方ないか』と他人事みたいに言うんです。これから大変になることが、いまいちわかってないみたいで」
入会しないという選択肢がなくなったように感じられたいずみさんは、迷いつつも半ば覚悟を決めて、先日、秋祭りに出かけた。子供会役員の女性は「よく来てくれたわね」とちやほやしたが、すぐに子供を夫に預けるように言い、いずみさんを子供会会員の親たちが集う詰所に連れていったという。
「まだはっきり入会すると答えたわけでもないのに、『来年からよろしくお願いします』といろんな人に声をかけられました。行事によっては父親が活躍する場合もあるらしいんですが、秋祭りはすべて母親たちが世話をするようでした。私が所在なさげにしていると、うちに話をしに来た役員さんが口を開いたんです」
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