■LXよりも全長は長く、全高は低い
スポーティで機能性を感じさせるデザインが魅力的な新型TX。デザインのコンセプトは機能と品質を兼ね備えた「実用的エレガンス(PRACTICAL ELEGANCE)」というもので、レクサスらしいラグジュアリーさを持ち合わせつつ、走りの良さを感じさせるディテールや個性も感じさせます。
デザインのハイライトのひとつは、レクサスの新しいフロントフェイス「ユニファイドスピンドル」。空力性能、冷却性能などのフロント機能を備えつつ、レクサスならではの印象深い毅然とした表情が具現化されています。
従来の「スピンドルグリル」のようにくっきりとしたグリル区分ではなく、バンパー形状やランプのデザインとも調和した一体感のある構成になっており、レクサスらしい個性が感じられます。
新型TXのボディサイズは、全長5170mm×全幅1990mm×全高1780mm、ホイールベースは2950mm。昨年デビューしたフラッグシップSUVの「LX」が全長5100mm×全幅1990mm×全高1885mmですので、全幅は同じながら全長はTXのほうが長く、全高は100mm程度TXのほうが低くなります。これは本格オフローダーの流れを汲むLXと、ロングツアラー的な要素を強調したTXの違いによるものでしょう。
日本で販売したら、大いに話題となりそうな新型TXですが、気になるのは1990mmという全幅。もちろんLXと同サイズであるため、日本でも走らせることはできるのですが、狭い道路や駐車場では苦労しそうなサイズではあります。
■運転を楽しみたいユーザーのニーズにも応えた
新型TXに用意されるパワートレインは、2.4Lガソリンターボエンジンと、2.4Lガソリンターボ+モーターのハイブリッド、3.5L V6ガソリンエンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステム。さらに、リアに高出力モーターを備えた四輪駆動システム「DIRECT 4」を採用した「Fスポーツ パフォーマンス」専用として、2.4Lターボハイブリッドも設定されています。
カーボンニュートラル時代にふさわしい燃費性能と走りの両立、これが多人数乗車モデルによって味わえるのが、新型TXの特長です。
レクサスは、高級車としての上質な乗り心地や高い静粛性を大事にしつつ、接地感と重厚感のあるドライブフィールを追求しており、この乗り味を「レクサス ドライビング シグネチャー」とよんでいます。他のレクサスモデルで培ってきたこの走りを、この新型TXでも実現し、運転を楽しみたいユーザーのニーズに応えている、とレクサスはしています。
冒頭で触れたように、残念ながら日本への導入予定はない新型TXですが、アルファードとはまた違った魅力を放つモデルであり、このド迫力の大型SUVを日本の道路でも乗ってみたいという方は少なくないはず。1990mmという全幅をもう少し狭め、都市部でも扱いやすいサイズになればかなり売れそうな気がします。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:LEXUS
Edit:Ogiyama Takashi