■新型CX-80は「ラージ商品群」の新モデル
マツダは2022年以降、CX-50、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90を投入するとしており、このうちCX-50、CX-70、CX-90は北米専用、欧州市場にはCX-60とCX-90、そして日本市場にはCX-60とCX-80が展開される。CX-50を除いては、マツダが「ラージ商品群」とする新開発のFRプラットフォームを使用し、直列6気筒エンジンや、最新のPHEVも搭載するモデルたちだ。全長とホイールベース、そして全幅を変えてバリエーションを増やしていく商品戦略は、メルセデスやBMW、アウディといった高級ラグジュアリーメーカーと同じだ。
マツダが正式に「直6エンジン、FRプラットフォーム開発」を公表したのは、2019年5月の決算報告会見でのこと。その少し前から、「マツダが直6を開発か」という情報はでていたものの、「まさかこんな夢のような話が本当だったとは」と、クルマ系メディアやジャーリスト、そしてクルマファンたちは、大いに湧き上がった。その後、本当に直6エンジンを積んだCX-60が2022年6月に日本デビューし、日本市場を賑わせている。
新型CX-80については、現行であるCX-8からの乗り換え先として、その登場を待っているユーザーも多いだろうが、気になるのはその全幅。現行のCX-8の全幅は1840ミリであるが、CX-60の全幅は1890ミリだ。ただ、日本市場での使い勝手を考えれば、CX-60と同じサイズ感の1900ミリ以下にはまとめてくるだろう。
■ラグジュアリー感を押し出した、贅沢な3列シート車となるはず
CX-80は、CX-60の3列シート仕様となる見込みだ。ベースとなるプラットフォームはCX-60と共有し、ホイールベースの延長とリアオーバーハングの延長で、全長はCX-60の4740ミリから4950ミリまで延長されると予測している。長くなったとしても5メートルの大台を超えることはないだろう。
エクステリアデザインは、CX-60に近い印象になるものと予想される。CX-60のように、フロントグリルからのメッキラインの延長上にヘッドライドがレイアウトされ、LED発光のアイラインがきらりと光るものとなるだろう。ただし、3列7人乗りという需要を加味すると、北米専用のCX-90のフロントデザインのように、フロントバンパーのエアインテーク形状は、大人しい印象となるかもしれない。
パワーユニットも、2.5L直列4気筒+電気モーターのプラグインハイブリッドと、3.3L直6ガソリンエンジン、直6ディーゼルターボ、直6ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドと、CX-60と同じバリエーションになる見込みだ。現時点での、マツダの持てる技術を投入し、ラグジュアリー感を押し出した、至極の3列シートSUVとなるだろう。
開発が順調に進んでいるのであれば、CX-80は今秋開催予定のジャパンモビリティショーにて、お披露目となることだろう。7人乗り3列シートSUVは、日本市場では貴重な存在。新型アルファード/ヴェルファイア、ランクル250といった大物が登場した2023年だが、マツダのCX-80も超大モノとして、この秋を賑わせてくれることだろう。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:MAZDA
Edit:Takashi Ogiyama