ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

うどんの次はハンバーグ…異物混入に驚愕の対応。厚顔無恥な店に客が下した天罰とは?

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

前菜の盛り合わせがたっぷりとあったので、このみはグラスワインをもう1杯おかわりをすることにした。しかし、アルバイトの彼が見当たらない。厨房の中にいるのかな? と声を出そうと思ったその時、さっきの女性が出てきた。

「さっきの不思議なファッションではなく、ネイビーのシャツとパンツルックになっていて、ギャルソン風の白いエプロンをつけていました。お店の人だったんですね。彼は見当たらなかったですし、女性にワインを頼むことしました」

このみさんがさっと手をあげ、目で合図すると不機嫌そうに女性がこちらに歩いてきたという。

「見た目通りといいますか、変わった人なんだなと思いましたが、素知らぬ顔で白ワインを注文しました。何種類かあったようで、どれにするのか? 聞かれたので、さっき飲んだものではないものをといいました」

©Getty Images

メニューを取り上げるように奪うと女性は厨房に消えて行った。すると次の瞬間、甲高い怒鳴り声が店内に響き渡った。

「どうやら、アルバイトの彼が怒鳴られている風でした。内容までは分かりませんでしたが、怒っていることは伝わりましたね」

徐々に雲行きがあやしくなりつつあるとこのみさんはそのとき思ったという。女性が店に入ってきてからというものムードが悪すぎる。

「すごく残念でしたよ。お店の雰囲気もいいし、何より味わいもすごくよくて、ゆっくりなんならデキャンタで赤ワインを飲もうかなくらいに思っていたんですが、その怒鳴り声を聞いたら、興醒め。早く食事を済ませて、バーにいこうと考えていました」

 

このみさんのテーブルに白ワインとスープが運ばれてきた。運んできたのは彼の方だった。そしてこそっとこのみの告げたという。

―さっきの白ワイン、ちょっといいやつだったみたいです。すみません、僕が注いじゃったんですけど。

「なるほどと思いました。怒鳴られていた原因はそれだっただなと。確かにおいしかったし、大丈夫ですと伝えると彼は、にこりと無邪気に笑いました。やっぱりこの店は彼が立っている方が、ずうっといいなと思いましたね」

メインのハンバーグが運ばれてくる頃には、2杯目の白ワインはほとんど飲み終えていた。しかし、あの女性がいる店内で深酒はしたくない。そう考えていると彼がハンバーグを手に厨房から出てきた。彼はこのみの空いたグラスをみると何かお注ぎしますか? と尋ねた。こう聞かれたら、NOとはいえない。このみさんはもう1杯赤ワインをオーダーした。

「ワインがきてからハンバーグにナイフを入れようと思っていたんです。少し待っている間にパンにソースをつけて食べてみました。すごく美味しくてハンバーグを食べるのがより楽しみになりました」

運ばれてきた赤ワインを口にして、いざ! とハンバーグにフォークを入れたときだった。何か肉でないものにあたった感触が手に伝わってきた。切り分けてみるとそこに見えたのは、青いビニール片だった。

楽しい食事中にまさかの異物混入……店側が取った驚きの対応とは? 後編に続く。
 

取材・文 悠木律

▶︎後編に続く


RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5