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LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

「助けてください!」見知らぬ女子高生から深夜のDM。簡単に家バレしてしまうSNS投稿とは?

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

恐怖!「パッチワーク」ストーカー

先日、ある「フェラーリ」オーナーのTwitter投稿が「怖い!」と話題になりました。自分の駐車場に、昨年購入した愛車を撮影する男子高校生がいた。車が好きなのかな、と思って声を掛けたら「以前この車を見かけたので、Googleマップで探して来ました」とのこと。うん……え? つまりフェラーリが走っているのを見かけたので、生活エリアの目星をつけ、ストリートビュー等を駆使して駐車場所を割り出し、やって参りましたってことかな? な、なるほどね。怖えよ!この話題がきっかけで、私は数年前に起きた「ある夜の出来事」を思い出したのです。

深夜0時過ぎ、見知らぬ女子高生から「助けてください!」とDMが届きました。全国の学校で講演をしているので、DM経由での相談は良くあるんですが、話を聞くと、「Twitterで半年ほどやり取りしている『同世代の女の子』がいて、会ったことはないが、好きなバンドも一緒、やっている部活も一緒で、すぐに仲良くなり色んな話をした。住んでいる県や、家の近所にグラウンドがあること、隣の家が犬を飼っているなども話した気がする」。ほうほう、なるほど。

電気を消してごらん

「さっき、その子と会話をしてたら『今夜って星が凄くきれい。電気を消して見てごらんよ!」って言われて。何気なく部屋の電気を消したら……ブンッ(DMの着信音)。

『いま、電気消したよね。家、特定しちゃった』

っていうメッセージが来ちゃってぇぇぇ!」

ノォォォォォーッ!!「その人いま、家の前にいて『実はサラリーマンなんだよ』『降りておいでよ』『家の住所、バラされたくないでしょう?』って脅されているんですけど、どうしたら良いでしょうか?」いやいやいや、どうもこうも。すぐに警察に連絡。その“自称女子高生”の身柄についてご対応頂きました。

その自称さん(会社員男性、30代)、実はあちこちの女子高生に「趣味の合う同年代の女子」を装っては近づき、友達となり、半年~1年という長い時間をかけて個人特定につながる情報を得て、パッチワークのようにつなぎ合わせては家まで押し掛ける、これを繰り返していたそうです。ウンコ野郎ですね。

SNSのプロフィールや日々の投稿をじっくり眺めれば、どんな趣味で、何を好むのか、おおよそのアタリを付けられます。相手が好むキャラクターになりすまして安心させたら、あとはゆっくり、少しずつ個人情報を引き出す。セキュリティ業界で「ソーシャルハッキング」や「ソーシャルエンジニアリング」とも呼ばれる手法。大人にも起こりうる話です。

正しく怖がる、適切に怖がる

いつも言っているんですが、基本的にはネットを過度に恐れる必要はなく、実際はネットより私たちの日常生活の方が危険です(例えば日常的に車を運転する人の「潜在的リスク」は、ネットの比じゃない)。ただ人生には、恋人がストーカーになっちゃうとか、ネットで変わった人と揉めちゃうとか、ピンチな場面って起こりうるわけです。そんな時に慌てないよう、知識だけでも持っておくことは大切ですよね。

例えば、犬の散歩やジョギングなど「家の近所でしかやらないこと」は、あまり写真付きでSNSに投稿しないとか、オートバイやロードバイクの写真と一緒に「今日走ったルート」を投稿している人は、自宅を出発して自宅に戻っているみたいなルートをうっかり公開しない、とか(皆さん結構やってます)。

念のためもう一度。過度に恐れる必要はないです。気にし過ぎて注意散漫になったら、それこそ車で事故を起こしかねませんからね。どうかご安全に。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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