■RZは、赤いシートが標準装備
エクステリアカラーは、4月のマイチェンで、「ボルカニックアッシュグレーメタリック」と、「ドンブルーメタリック」(RZグレード、SZ-Rグレードのみ)が加わり、全6色展開に。
シート表皮は、RZ標準は、アルカンターラとイグニッションレッド本革。赤いシートが苦手な方には、メーカーオプションで「タン本革」、もしくは「ブラック本革」も選択が可能となっている。いずれも上質な生地に入った均一な縫い目がとても上品。SZ-Rはアルカンターラとブラック本革、SZはブラックのファブリック素材のシート(6ウェイマニュアル)。ちなみに、シートヒーターが付くのは、RZとSZ-Rのみだ。
また、8.8インチのTFT液晶メーター(デジタルスピードメーター)は全グレードで標準搭載となるが、カラーヘッドアップディスプレイが標準となるのは、RZとSZ-Rのみとなる。
■先進運転支援システムの性能が物足りない
プリクラッシュセーフティといった基本的な先進安全装備は全車標準装備だが、MTは、ミリ波レーダーが非搭載となり、レーダークルーズコントロールがクルーズコントロールに置き換わる。また、後方緊急ブレーキも警報のみとなり、先進運転支援システムに関しては、MT車はAT車に対して性能が大きく劣ることとなる。
日産フェアレディZやホンダシビックタイプRなど、MT車であってもレーダークルーズコントロールを装備するスポーツモデルもあるなか、GRスープラがこれでは、ちょっと寂しい。BMW 3シリーズ以上のクルマに搭載される、ステアリング制御まで可能な先進運転支援システムを、GRスープラのMTにも搭載してほしかった。
■MTは「贅沢品」ということか?
MTが最上位グレード(731万円)のみに限られるのは、マニュアルがもはや贅沢品と見なされている、ということだろう。直4と6速MTは、GR86で楽しんでほしい、というトヨタの意思なのかも知れないが、GRスープラのマッシブなデザインは、GR86では遠く及ばず、ファンは満足することはできない。BMWには直4+6MTが可能で、なんでトヨタにはできなかったのか。近いうちにGRスープラにも、直4+6MTが登場することを期待したい。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:TOYOTA
Edit:Ogiyama Takashi