ファッション好きにとって、メンズショップの店主やスタッフと話をするのは何よりも楽しい。
自由が丘駅正面から真っ直ぐ歩いて3分ほど、外から見るとレディースブティックのようですが、中に入ると選りすぐりの国産ジーンズがずらりと揃う、まさに“羊の皮を被った狼”のようなジーンズショップが『Denim Cellar.(デニムセラー)』。店主の栗原健治さんがジーンズソムリエという資格をお持ちで、ワインセラーから店名を思いついたそうです。
ワインのように時を経るほど熟成していくデニムの魅力を、栗原さんの“ジーンズ人生”とともに紹介します。
【デニムセラーのトリセツ①】壁に並ぶ、お宝ジーンズの数々!
リーバイス501XX(ダブルエックス)、ビッグE、66……、壁に掛かっているデニム好きならノドから手が出るほどのヴィンテージアイテムは、全部栗原さん私物の「栗原コレクション」。どれも栗原さんが15歳でジーンズに目覚めてからの時間も刻まれています。
「古着屋に行くと、こういうヴィンテージは奥に大事に仕舞ってあって、実際に目にできないものがほとんど。うちに来るジーンズ好きのお客さんも“本物を見たことがない”という方が多いので、壁から外して触らせてあげて、これを元にトレースして今のジーンズができているんですよと言うと、説得力が違いますね」と栗原さん。
『デニムセラー』のコンセプトは、「ジーンズは育てるもの」で、色の薄いジーンズは一切なし。「夏でもガンガン穿いて、時間とともに色落ちして、自分のシワがついてくると楽しいし、愛着も湧いてきます」と、栗原さんが今日穿いているのは、BONCOURA(ボンクラ)の66モデル。
「おろしてから3年半ぐらいですが、普通のサラリーマンと同じように、週末の2日だけ穿いて、月1回洗って、今こんな状態です。こういう説明をすると、お勤め人もすごくリアルに感じてくれるんですよ」。