料理芸人のクック井上。です! “飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”
というデータがある中、町には長年お客さんに愛され続けてきた洋食屋さんがあります。そんな老舗の洋食屋を巡り、その想い、歴史、人、町に触れる連載コラム【洋食天国】
vol.31は、戦後直後の1949年(昭和24年)創業の洋食屋、新宿『はやしや』にやって参りました。
実はこちらは新宿を中心に飲食店やスーパー、ホテルなどを経営する三平グループに属しており、以前は『食堂三平』という名前だったとか。ん?『はやしや』の前の店名は『食堂三平』???
“はやしやさんぺ…”??? なんだかとても気になりますが、詳細はまた後程インタビューするとしまして、まずは腹ごしらえをば。
優柔不断にならざるを得ない店先のショーケースの食品サンプルを見まわしながら、ふと横に目をやると立て看板に素敵なメニュー名を発見。
ランチタイムサービス「昭和プレート(1480円)」
・サーモンムニエル
・ポークソテー
・ハンバーグ
・海老フライ
・ハヤシorカレー
・ライス
・スープ
・ドリンク
これだけの洋食のオールスターが勢ぞろいで、ドリンクまでついて、新宿でこのお値段。よし、今日は「昭和プレート」、お前に決めたゼ! 中年男子は、“昭和”という言葉に弱いんだよなぁ(笑)。
今回も厨房にお邪魔させていただく事に大成功しましたので、お読みの方々も一緒に探検しましょう。
■『はやしや』の「昭和プレート」の作り方
作って下さるのは小林幸雄シェフ。マスクをしていても、ニコッとした目元だけでお人柄が伝わってきます。プレートに乗るお料理の食材が綺麗に並べられた銀皿から、まず手を付けたのが海老。
手際よく小麦粉⇒卵液⇒パン粉を纏わせ、フライヤーの中に入れていきます。“ジューっプチプチプチ”と海老フライが揚がるセクシーな音……、数時間聴いていたい! そしてすぐさまお次の料理に移っていきます。
下味をつけたサーモン+バターを皿に乗せ、オーブンの中に入れて、そしてすぐにフライパンでハンバーグとポークソテーを焼いていきます。それぞれの火の通り具合、時間差をすぐさま判断し、オーブンに入れたり少し休ませたりして、ほぼ同時に全てのお料理が出来上がっていくという圧巻の厨房でのパフォーマンス!
何千食も何万食も作ることを繰り返してきたからこその流れるような動きうっとりしつつ、そろそろ席に戻ると致します。