スズキの人気コンパクトカー「スイフト」。現行型は2016年に登場(2017年1月販売開始)と、そろそろフルモデルチェンジのタイミングに差し掛かっています。ライバルの多いカテゴリーの中で、日本のみならず世界でも高い評価を得てきたスイフトの歴史を振り返りつつ、魅力と新型について考察します。
■スズキ初の本格5ドアモデルとして誕生
初代スイフトは2000年1月に登場。1998年に登場したクロスオーバーSUVタイプの軽自動車「Kei」との共通部品が多いものの、普通自動車のプラットフォームで設計されたスズキ初の本格的な5ドアモデルとして登場しました。
ボディサイズは全長3615mm×全幅1600mm×全高1540mm(4WDは1545mm)と、見た目はクロスオーバーSUV風でありながら、全高は立体駐車場に対応した1550mm以下と実用性にも優れ、また、新設計のオールアルミ製1.3L直4DOHCガソリンエンジンには、可変バルブタイミング機構やデュアル触媒といった新しい技術が採用されていました。
2003年には後の人気グレードである「スポーツ」が登場。1.5L直4DOHCガソリンエンジンを搭載し、最高出力は85kW(115ps)/6400rpm、最大トルクは143Nm(14.6kgm)/4100rpmというスペックで登場。3ドア、5速MTのみという割り切った仕様ながら、レカロシートや本革巻きステアリング、専用チューニングサスペンション、四輪ディスクブレーキ、クロスレシオトランスミッションなどが搭載されるなど、走りに特化した仕様で、しかも当時の価格は119万円と、相当なバーゲンプライスが話題となりました。
■世界戦略車として登場した2代目
2代目は2004年11月に登場。スズキの新型車として初めて世界4ヵ国(日本、ハンガリー、インド、中国)で一斉に生産をスタートさせる世界戦略車として開発されました。ヨーロッパのコンパクトなハッチバックを意識した優美なデザインとスポーティな走行性能、そして初代モデルでも魅力だった低価格が特長です。
標準モデルは、91psの1.3Lエンジンと、110psの1.5Lエンジンが用意され、1.3Lモデルは5速MTと5速AT、1.5Lモデルには4速ATが設定されました。その後、2005年に「スポーツ」が登場。エンジンは1.6L 直4DOHCガソリンを搭載し、最高出力は92kW(125ps)/6800rpm、最大トルクは148Nm(15.1kgm)/4800rpmというスペックで、ボディサイズは全長3765mm×全幅1690mm×全高1510mm。初代とは異なるパッケージングながら、5ナンバーサイズに収めた見事な「テンロクホットハッチ」を実現させました。