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猛暑時に車に関する注意点4選。熱い車内に潜む危険とは?

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

夏によく目にする悲惨なニュースといえば、クルマに乳幼児やご高齢の方が取り残される事故。危険だと報道されていても、毎年のように発生しており、「ちょっとコンビニで水を買うだけだから」というような油断が、これらの悲惨な事故を引き起こしている。

さて、炎天下に放置されることが多いクルマには、夏の暑い時期、気を付けなければならないことがほかにもいくつかある。今回は、猛暑時に、クルマに関する注意点を4つご紹介。どれも悲惨な事故につながりかねないので、ぜひ参考にしていただきたい。

 

 ■最悪「爆発」も!?車内への放置物に注意!!

人間やペットの置き去りは言語道断だが、他にも、クルマの中におきっぱなしにしてはいけないアイテムがある。スプレー缶やガス式ライター、未開封の炭酸飲料、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器だ。さらに、アルコール消毒液を車内に常備するのもNGだ。

ノートパソコンやスマートフォン、モバイルバッテリー、ゲーム機などリチウムイオン電池を使用している電子機器はすべて危険。高温になると保護回路が壊れ、バッテリーの膨張や、発熱・破裂・発火のおそれもある

特にその危険を見落としがちなのが、スプレー缶。虫よけスプレーや消臭スプレー、冬場に使った凍結防止スプレーなど、LPガスが使われているスプレー缶は、温められるとガスが膨張し、スプレー缶の内圧が高まり、限界に達すると爆発する。

真夏の車内温度は50度を優に超え、60度近い温度にもなる。万が一、車内で爆発を起こすと、窓ガラスは軽く粉々になるほどの威力がある。これらのスプレー缶が残されていないか、今一度車内を確認しておいてほしい。

 

■「白いタオル」が便利

炎天下にクルマを止めておくと、車内の表面は火傷する熱さにもなる。JAFの実験によると、サンシェードなしでのダッシュボードは、最高で79度にも。サンシェードを使用した場合は52度と、サンシェードを使うことで表面温度の上昇はある程度抑えられるが、これがなかなか面倒、という方は多いだろう。

サンシェードを使っても、車内の気温の上昇は抑えられないが、サンシェードによって、ダッシュボードやステアリングホイールなどの表面温度の上昇は抑えられる。できれば、炎天下にクルマを止める際はサンシェードをつかってほしい

そこで、お薦めな対策が、ステアリングホイールやシフトノブの上に、白いタオルをかけておくことだ。これだけで、熱々で触れないということは防ぐことができる。タオルの大きさや厚みは問わないが、車内の温度で雑菌が繁殖しないよう、乾いた清潔なタオルである必要はある。

握れないほどアツアツな状態で走行を始めれば、火傷もしかねないし、熱いからといって、しっかり握っていないことで、事故にもつながることも考えられる。「そんなこと」ではすまない、重要な対策だ。

 

■サンバイザーの向きを変えて

少し陽が傾いたときの夏の太陽光は、ドライバーにとってつらいもの。意外と知らない人が多いのだが、クルマのサンバイザーは、サイドウインドウにも使うことができる。インナーミラー側のヒンジが取り外せるようになっているため、簡単に向きを変えることができ、サイドウインドウから入る太陽の光も、これでカバーすることができる。もちろん、サンバイザーは、人の目線高さまでのシェードとなるので、運転にはほとんど悪影響を及ぼさない。 

このように、インナーミラー側のヒンジが取り外せるようになっているため、簡単に向きを変えることができる

ほかにも、偏光サングラスを使う手もある。ドライブ用のサングラスを選ぶと、可視光線透過率が20~30パーセント程度が、車の運転にはベストなものが手に入る。偏光レンズタイプを選ぶことで、太陽光や対向車のヘッドライトの光も軽減することが可能だ。メガネの上からもかけられるタイプもある。一本用意しておくと安心だ。

 

■エアコンの効きが悪いときは?

一刻も早く車内を涼しくするには、まずは車内のアツアツの空気を追い出すことだ。エアコンは、取り込む空気の温度が低い方が、より冷たい空気をつくりだすことができる。まずは、車内の温度を外気と同じにする、これが早く車内を涼しくする秘訣だ。

方法はいろいろあるが、たとえば、運転席ドアを開けてエンジンをかけカーエアコンをONにしたあと、助手席側後席のウィンドウを開ける。その後、運転席のドアをバサバサと仰ぐように動かす。「バシン」とドアを閉じる必要はなく、団扇のようにあおぐイメージだ。あおぐことで、アツアツの空気を開けた窓から追い出すことができる。

オートエアコン車であれば、A/CスイッチをONにして、エアコン温度を最低温度に設定し、「AUTO」をオンにしておくと、設定温度まで車内が冷えれば風量を加減してくれる

また、エアコンはしばらく「外気導入」にしておくのもポイント。熱気がある程度逃げたら、内気循環にし、車内の温度を保つようにする。ただ、ずっと内気循環にしておくと、車内の空気が入れ替わりにくくなるので、外気導入と内気循環は適度に切り替えをするようにしてほしい。

このような対策をしても、なかなか車内が涼しくならない、という場合は、エアコンのガス漏れやエアコンの故障が考えられる。ガスの補充であれば、ディーラーやカー用品店で対応してくれ、費用も5000円程度と比較的安くすむので、熱中症になる前に、対策をしてほしい。また、ほかにも重要な対策はあれば、ぜひコメントをお願いします。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:AC
Edit:Takashi Ogiyama

吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。


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