かぶり続けて風合いが増していくのも楽しみ!
さて、220回目はまたまた舞い戻って「エルメス」、リネンのハットです。
ハットの類いが大好きで、冬はラビットファーやビーバー、グアナコ、夏はパナマやキートを愛用。
ボルサリーノをメインにしてるって話は何度も記載しましたが、日本の夏は暑いわ、湿度は高いわで、とにかく汗を掻くし、強い陽射しを浴びると灼けてしまうのもあって、なかなか高額なものには手が出しにくい…。
夏場、傷みをあまり気にせずに かぶれるハットはないものか?と探していたら、やっぱりエルメス! こんな素敵なリネンのハットが展開されていました。
カタチは 極めてオーソドックス。使いやすそうなグレーで、ブリムもそこまで長くなく、リボンも同色同素材で馴染んでる。
リネンの凹凸ある素材感と、よ〜く見るとステッチを少しだけ明るい水色にしているので、単色でもベタっとした見え方にならず、ほのかに陰影が出る。この辺りの匙加減は、ホントお見事なエルメス仕事です。
素材のリネンは、とても丈夫。吸水性だけでなく通気・発散性にも優れているため、濡れてもすぐに乾くし、汚れが染みにくく落ちやすく、抗菌性まで備えています。
水に濡れることでさらに強度が増すようですし、なんてったって清潔に使用できるので、ハットに必要な要素は全部揃っているんじゃないかっていうくらい。
というわけで、費用対効果も高いし、減価償却も安易にできそうなんで迷わず清水ダイブをかましました。
以前ダイブしてご紹介した、エルメスのカシミア100%のポークパイハットが思ってた以上に良くて、使いやすかったのも即購入の後押しとなりました。
エルメスのハットといえば、モッチ(MOTSCH)社が手掛けており、1991年に傘下に入ってからもしばらくは「MOTSCH pour HERMES」のタグが付いていたんですが、最近は「HERMES」タグのみ。
とはいえ、モッチ社が築いてきた技術が詰め込まれていますし、エルメスが認めたくらいですから作りは抜群です。
きっと このハットも、ジジィになって擦り切れるくらいまでかぶり続けると思いますし、長く使い込んで さらにリネンの風合いが増していくのも、いまから楽しみです。
気づいたら パナマハットの出番がなくなってたりして…。
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka