「帽子をカブると ニット1枚着てるのと同じ暖かさ」とは言いますが
さて、188回目は「エルメス」のポークパイハット。要は、トップが低く平らで、狭いブリム(ツバ)が わずかにカールアップした帽子ですね。
ちょっと前までは 暑い暑いとクダを巻き、ジリジリと照りつける陽射しを避けるべく、パナマハットをカブってたっていうのに…、気づけば 立冬。
暦の上ではノヴェンバー、冬が始まるよ、こんな小春日和の穏やかな日は、ボルサリーノはラビットファーのフェルトハットにカブり替え、エルメスのカシミア100%ってな贅沢すぎるハットをカブってみようと思っています。
ここ数年は、ブリムの長い、クラシカルなハットばかりを選んでいたんですが、お得意の反動というか、揺り戻しというか。最近よく聞く、"逆張り"なのか?
今年はコロナで時間もあり、夏はとくに暑かったのも手伝って、ひたすらレゲエを聴きまくり。その流れで2トーンとか、懐かしのブリストル辺りまで幅も広げて聴いていたんですが、ルードボーイにしても スペシャルズやワイルド・バンチ周辺にしても みんなとにかくカッコ良くポークパイをカブってたのを再確認。
まぁ、元々はこの辺の影響を受けまくってカンゴールからポークパイになり、オトナになってからはブルースマンやジャズマンの影響でボルサリーノへと変遷していったんですが、最近また戻ってきた観がある。
ブリムの短いヤツを ちょこんと乗せる感じも悪くないんじゃないかって。
そして、それがエルメスだったら イイ意味で裏切れるかなって。しかも、カシミア100%だし(笑)。
ただ、コレ…… ビンカワ(スベリ)も裏地もカシミアじゃない…。肌に触れる部分にカシミアが一切ない! なのに 恐ろしく高かった…。
そりゃあ、コートだって裏地がキュプラだったら肌に当たるの襟と袖口くらいだし、ニットだって下にシャツなんか着たら 触れる部分はない。
でも、コートやニットなら連れが触れて その柔らかさに小躍りしてくれたり、レストランで預けたら扱いが変わ…、あっそうか! この帽子もスタッフやクロークに預ける際に効果を発揮するのか!!
いや、きっと気づかないよね。
だとしたら、グアナコのフェルトハットとかの方が伝わる。はず。
「帽子をカブるとニット1枚着てるのと同じ暖かさ」なんていう、家庭科の先生が言いそうな名言を信じて、ならカシミアだなと清水ダイブしてみたものの、適正な価値があるのかは甚だ疑問なんです。
ただ、ファッションを語る上でハズせない"自己満足"の部分は大いに満たしてるので、あとは実際にカブって色々と試してみて、カシミアである意味が本当にあったのかリサーチしてみます。
まぁ 飲み屋で こんな戯れ言がネタになったり、記事にできただけで ある程度 元は取れている気もしなくはないですが。
Photo:Shimpei Suzuki(item)
Edit:Ryutaro Yanaka