でも、いまだかつて……
さて、164回目は もういい加減…な「エルメス」のキャップ「ネバダ」。
パネルの取り方がジェットキャップのようで、ストリート仕様な佇まいですが、さすがはエルメス。じつはこれ、カシミア100%なんです。
まぁ、素材が抜群に良いので、その辺のストリートブランドやアウトドアモノには見えないんですが、パッと見ドコのブランドかは 皆目見当がつかない。フロントには「H」なマークが刺繍で施されていますが、同色なので かなり近づかないと分からないのも堪らないんです。
後ろでサイズ調整するボタンが、鞍の鋲をモチーフとした"クルー・ド・セル"ではありますが、コレだってそんなに目立つもんではないんで、おそらく被っていてもエルメスだとは気付かれないんじゃないかと。
裏地はロゴ入りだから、ごはん屋さんで脱いで裏向きに置いてたら気付かれるかもですが、そんなアピールすることもないでしょうし。
丁寧な縫製や ツバの縁には上質なレザーのパイピングがほど越されており、やっぱエルメスってスゲぇなぁ〜と ひとしきり感心していたんですが……
ん? 待てよ。
これって カシミアである必要あったのか??
きっちり裏地とスベリもあるから、肌に触れる部分にカシミアないじゃん。まぁ、でも軽くて温かいんだろうな。
ん? ん? だろうな??
そう。このデザインと素材の贅沢さに惹かれて、"色ち買い"な清水ダイブしちゃったっていうのに、じつはまだドッチも被ってない…。だから 温かいのかは検証できておらず。
「ハズしのアイテムなんだけど じつは超リッチ」っていうネタ込みでの清水ダイブだったんですが、実際に被って出掛けようとしたら ちょっと頑張って 若さアピールしてる中途半端なオジさんっぽく見えて断念。それ以来 眠って頂いているわけです。
とは言え、これ2個でコート買えるくらいの出費だったので 被らないとモッタイナイから、そろそろ勢いに任せて おろしてみることにします。もし無理して若作りしてるように見えても そっとしておいてください。視線から察して 再度眠ってもらうことになるのかもしれませんけど…。
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka