◆朝食にもお茶タイムにも。チーズとハーブの香りが堪らない、セイボリー スコーンの作り方◆
以前、プレーンスコーンの作り方をご紹介した際にレシピを応用してSavoury Scone(セイボリー スコーン)が作れることをお伝えしました。セイボリーとは英語で「塩味の」という意味。おかずパンのような位置づけのスコーンです。
具や味付けにこれといった決まりごとはありませんが、チーズを入れるのが一般的です。英国のカフェやベーカリーでよく見かけるのはチェダーやスティルトン(英国が誇る世界三大ブルーチーズの1つ)を使ったプレーンなチーズ・スコーンや、チーズにベーコンを加えたもの、ポテトとローズマリーなどなど。
私が今回ご紹介するのはチーズ・スコーンにハーブを加えたレシピです。
◆使うチーズで別物になる面白さ。甘いスコーンとは違った柔らかい食感が食べやすい◆
セイボリー スコーンの特徴として、甘い普通のスコーンと見た目は似ているのですが、柔らかくマフィンのような食感です。上記の通り、一般的にはチェダーチーズを使いますが、パルメザンチーズをミックスしたリッチな味合いのスコーンも美味しいです。
チェダーチーズの産地を訪れた際に立ち寄ったカフェで何気なく注文したスコーンには長期熟成のチェダーをスモークしたものが練り込まれていて、未だにその強烈な味わいを覚えています。
◆手順は甘いスコーンとほとんど一緒。やみつきになるセイボリー スコーンのレシピ◆
① 薄力粉、塩、ベーキングパウダーを混ぜ、ふるっておく。
② ハーブを細かく刻んでおく。今回使用したのは自宅で育てているDill(ディル)。スモークサーモンのトッピングとして使われる。アクの強くない爽やかな香りがよく合う。イタリアンパセリやチャイブもおすすめ。
③ ❶に角切りにした無塩バター、粉マスタード(粉辛子でも可)を加え、指でバターをすり潰すように粉と馴染ませる。
④生地がパン粉状になったら刻んだハーブとおろしたチーズを加え、指でチーズを生地に馴染ませるように混ぜる。
⑤牛乳を少しずつ加え、やや湿り気のある生地にまとめあげる。
⑥ 分量外の薄力粉をふった作業台の上で軽く捏ねて、ラップをして冷蔵庫で30分ほど寝かせる。その間にオーブンの予熱をスタート(200℃)。
⑦ 30分経ったら麺棒で2〜2.5cmの厚さに伸ばし、型抜きしていく。
⑧ ベーキングシートを敷いたトレイに載せ、天辺に卵を塗り、残しておいたチーズを振りかける。オーブンに入れ15〜20分焼く。
甘いスコーンと違って、焼きたてが非常に美味しい。有塩バターを少量塗っても。冷めてしまったらオーブントースターや電子レンジで再加熱することも可能。1940年代に作られたレトロな雰囲気満点のプレートに盛り付けて。
《材料》7センチの型で6個分
薄力粉 200g
ベーキングパウダー 9g
塩 2つまみ
バター 70g
粉マスタード(粉辛子) 小さじ1 *省略可
セミハードorハードチーズ(チェダーチーズ等) 60g
ハーブ(ディルorイタリアンパセリ) 4〜5本
牛乳 140ml
卵 1個
photos&text: Kohki Watanabe
◆渡邉耕希(わたなべ・こうき)◆
愛媛県出身の1992年生まれ。ロンドンの大学でクラシック音楽を学ぶ。現地でヴィンテージ・アイテムの魅力に取りつかれ、服や靴を中心にアイテムの歴史的背景まで探求するようになる。無類のスイーツ好きが高じて開設したYouTubeチャンネル「The Vintage Salon」にて料理や英国菓子作りを通して日本で実践できる英国的生活を発信している。